今日は着ないのかという視線を感じます。
あんなに足の出てしまう着物を常用できるほどスタイルはよくないです。こんな痩躯の女の身体に興奮する人は先ず変態さんです。
「(……左之助さんは変態だった?)」
ちょっとだけ信じられない事実に気づいてしまい、どうしようかと真剣に悩んでいると、左之助さんの視線が私の足首に向く。
足フェチなんでしょうか?
剣路君はチラチラとしとりの足を見ているときはありますけど。アレは顔を踏まれたことがあるから警戒しているだけですし。
「景、足袋が解れてるぞ」
「え?」
左之助さんに言われ、足元を見るも糸は出ておらず、穴も開いていません。でも、左之助さんには見えているらしく、指差してくる。
「脱いで確かめます」
そう話しながら、両足の足袋を脱ぐ。
走ることも歩くことも下手な色白の足に、気恥ずかしさを感じながらも正座し直して、ほつれを探してみるものの、やっぱりありませんね。
「……あの、左之助さん?」
「どうした?」
「そんなに見つめられると履きにくいです」
「いやな。足は綺麗だからよ、爪先も綺麗なのか気になっちまったんだよ」
そう言いながら私の足を崩し、引っ張る左之助さんにビックリしてしまい、左之助さんを見ると静かに私の足を見つめています。
「膝枕、します?」
「……頼む」
ポンポンとお膝を叩けば少し悩んだ顔の左之助さんが私の太ももに頭を乗せると、目を閉じてまた考え事を始めてしまった。
やっぱり、なにかあるのでしょうか?
不思議に思いながらも左之助さんの頭を優しく撫でていると、雷の音が聴こえて、慌てて外を見ると雷を纏った刀が地面に突き刺さっていた。
「お、おー?」
「鬼の妖刀、
しとりの身体に納まる予定だった銘も分かっていなかった刀の一振り。いきなり、名前を顕したのは何かしらの理由があるのでしょうけど。
私には分かりませんね。
「電光丸の対になる、陰の雷刀です」
「ん!触れた!」
あっさりと地面から舞雷刀を引き抜いたしとりはニコニコと笑い、鞘を持たない妖刀を振り回す度、青紫色の静電気が放電し、しとりの髪が跳ねる。
フフ、可愛いですね。
「ひーもほしい!」
「ん、これはわたしのだよ。ひーちゃんも刀に選ばれれば使える」
そう言うとしとりは影の中から私も持っていることを知らなかった分の刀を引きずり出し、まさかと左之助さんを見上げると「いや、欲しいって言うからよ」と、あっさりと私に見せずに渡していたことを呟いた。
せめて、教えてほしかったです。