「左之助さん、お団子食べますか?」
「もらう」
私の差し出す柏餅を葉っぱごと齧って食べる左之助さんに苦笑を浮かべつつ、大きな口だから私の捏ねて作ったお餅だと小さかったでしょうかと悩む。
「ん!美味しい」
「おはぎすき!」
「柏餅ですねぇ」
縁側に座って柏餅を食べながら、これからも平和に過ごしていけることを願うばかりです。……しかし、「ゴールデンカムイ」が始まる前に、しとりとひとえに託せるものは託しておきたいです。
「景はまた考え事か?」
「いえ、そう言うわけでは無いんですけど。ただ、ススハムの村に二人組の男がやって来たという話を聞いて、少し心配になってしまっているだけで…」
「鷲塚も居るんだ。大丈夫だろうぜ」
その二人組は最終的に鷲塚慶一郎の所属していた新撰組を利用し、金塊を得ようとしているわけです。この事を話すと不確定要素を増やしますし、左之助さんには話すことは出来ませんね。
「そういえば、景」
「なむぐっ……なんえふか?」
柏餅を口に当てられ、モグモグと食べて口許を手で隠しながら聞き返し、彼を見上げます。
「前にこっそりとヘンテコな鎧作ってたよな。かめん、なんちゃらってのに似てるヤツ」
「……気のせいですよ」
「じゃあ、目ぇ逸らすな」
「あ、あれは趣味ですから、非売品ですから」
そもそもアレは「仮面ライダー」ではなく別作品のスーツですし。他の人に見せる予定もなかったものですから、あまり見てほしいものでは……。
「着てやろうか?」
「お願いいたしますっ……あ」
「クッ、クククッ……!」
思わず、即答してしまった自分の意思の弱さにしょんぼりとしながら、クツクツと笑っている左之助さんに居間の箪笥を動かし、私の裁縫部屋を見せる。
「……お前、怪力だったのか?」
「箪笥自体は発明品で軽くしているだけですよ。しとりやひとえでも片手で持ち上げることが」
そう話そうとする私の両脇を通り抜け、裁縫部屋に入っていくしとりとひとえはキラキラと両目を輝かせ、私の作っていたコスプレ用の衣装を見ています。
「刀!ん!ん!」
「かーさま、これなにー?」
「うわっ、ハラキリサンシャインじゃないの。母者、マジで雑食過ぎない?」
個魔の方の呟きに苦笑を浮かべながらも裁縫部屋に飾っている「特撮テレビ」とは違う、いわゆる「特撮アニメ」に登場するヒーローに個魔の方はドン引きしているようにも見えます。
「なんで胴当てに穴あるの?」
「ハラキリカッターするためよ」
「かったあ?」
絵を描く事と違って衣装ですので「物語」は繋がることはありませんけど。
ちょっとだけ、恥ずかしいです。