黒の騎士団の予告状を貰いました。
流石に危険と判断して、斎藤一に連絡すると定年退職間際の彼は物凄く怒っていました。最後の最後にまた余計な事件を引き連れてきたと思ってますね。
「阿呆が」
「私の娘は阿呆じゃないわよ。抜けてるだけよ」
「お母様、フォローになってないです」
「で、この黒の騎士団というのは何だ。どうせ情報を掴んでいるんだろう、さっさと吐いておけ。また相楽に尋問させるぞ」
「オレはいつでも良いぞ、景」
嬉しそうに近づいてきて、むにむにと頬っぺたを触ったり身体を抱き上げ、自分の胡座の間に乗せる左之助さんに苦笑を浮かべながら制止し、ゆっくりと姿勢を正して斎藤一を見据える。
「黒の騎士団はドイツの組織です。目的は不老不死の霊薬を回収する事。多分、私のウソまみれの噂を信じて接触しようとしています」
不老不死なんて成るものではありません。
死ねない外印は今も何処かで孤独に襲われ、生き続けることになっています。ドクトル・バタフライも転生者と出会うことで孤独を誤魔化し、孤高の存在として世界の行く末を見るために生きる事を選んんだ。
「不老不死の霊薬?そんなものがあるのかい」
「───ありませんよ。人魚の肉、生命の水、賢者の石、名前は違っても在るのは死ねない地獄です。ドイツはフランケンシュタインの事件もありました。おそらく超常の存在を目撃し、危惧した結果でしょう」
私のお腹を優しく撫でる左之助さんの手をペチンと叩いて、注意しながら斎藤一を見遣る。坪内刈羽君の母親こそ人魚の肉を食べた本当の不老不死ですけど。
斎藤一はその事実を伏せています。
あるのは、戦いですね。
「景は物知りなのは知っているけど。パパはそんな事を調べる素振りを見たことないな」
「……そういえば私もそうね」
「大抵の危険な出来事や想定は頭の中にありますから調べずとも問題ないんです。……まあ、いきなりすぎる出来事は苦手ですけど」
私の言葉にお父様とお母様は不思議そうにするものの、暫くして納得してくれました。私は未来を見えるという変な噂は志葉様から聞いているでしょうし。
「相楽、お前の妻は相変わらずだな」
「これぞ景だろ」
「いい加減にその胡散臭さと妖しさを隠せるようにしておけ。お前の経歴を怪しんでいるヤツもまだ警察には多くいるんだぞ」
まるで、私が悪いことをしたように言いますけど。悪いことなんてしていませんよ。清廉潔白の清い人生を送っているという自負が私には、ちゃんとあります。