「本当に攻めてきたわね」
私と一緒に行動していたお母様の呟きに私は苦笑を浮かべつつ、肯定するように頷き、古びたお堂*1の前に集まった軍服姿の外国人を見据えます。
ドイツ軍の将校と思わしき勲章を幾つも身に付け、私達の事を見る切れ長の目、威圧的にも思える視線にお母様は折り畳み式の薙刀を取り出し、構える。
まさか本気ですか?とお母様を見る。
「Frau、貴女方に危害を加えるつもりはありません。貴女方の持っている不老不死の霊薬を頂きたいのです。それとも手荒な真似をお好みかな?」
そう言うと直剣を抜いて笑う彼らの目の前に不機嫌そうにやって来た斎藤一、左之助さん、明神君、緋村剣心の四人が並ぶ。
「剣心は見といて良いぜ」
「分かっているでござるよ。弥彦」
刀々斎の打ち直してくれた逆刃刀・影打ちを腰に佩いた緋村剣心に明神君はそう言うと背負っていた木刀の紐を解き、じろりと黒の騎士団の青年を見る。
左之助さんも久しぶりに全力で戦えると知り、すごく嬉しそうに拳を鳴らしている隣で、ものすごく不機嫌そうに眉間に皺を寄せる斎藤一がいます。
「雑魚だな」
当たり前のように暴言を吐く斎藤一。その言葉に一番体躯の良い男がハルバードを振るい、迫るも牙突するまでもなく喉元に正拳を打ち込まれ、一撃で呆気なく彼は昏倒してしまった。
「阿呆が。力量差も分からんのか」
そう言うと煙草を取り出そうとして、私の方を見るので「吸っても大丈夫ですよ」と伝えると煙草にマッチで火を点け、紫煙を吐き出す。
「シュナイダー、引くぞ!」
「はっ!」
「んだよ。喧嘩しねえのか?」
「引き際を見極めただけでござるよ。左之、お主の事も事前に調べていた可能性もあるでござる」
「剣心、それオレもか?」
「弥彦もでござるよ。しかし、一番の問題は
「外印だろうな」
「外印だな」
「外印じゃないのか?」
みんなの外印に対する印象は何となく分かりましたけど。ドイツに迎えるほど外印は金策していたのかという疑問も残るのですけれど。
あの人はそういうことをしますね。
「その、げいんが悪いのね」
「アレです。お父様の事を好きになりすぎて、自分の事を奥さんだと思い込んでいた人みたい感じの人が、今の外印です」
「ああ、あの害虫にそっくりなのね」
まあ、そのとおりではあるんですけど。
「貴女の事だから、また何かしたんでしょう?」
「いえ、そんなことは」
「「「「した」」」」
なぜ?