硫黄の臭さと毒気を抜け、青白く光の反射する空間に辿り着く。微弱な光でも反射して、空間その物が光っているように見せることの出来る道具───。
火影忍軍の魔導具「灯」ですね。
効果は熱と光を吸収し、発光する。
その特性上、複数品を用意しておけば半永久的に光源として扱える魔導具であり、集めておけば熱源として簡易的なカイロとしても使える。
「景の発明品に似てるな」
「流石に戦国時代の代物は作れませんよ」
左之助さんの呟きに訂正を告げつつ、他の魔導具よりも簡単に作ることの出来そうな「灯」の一つを持ち上げて、ビー玉状の中に刻まれた文字を見つめる。
「「「「(なんで戦国時代って分かるんだ?)」」」」
みんなの訝しげな視線に首を傾げる。
いったい、どうしたんでしょうか?
「なんで戦国時代だって分かるんだ?」
「真田忍群ですよ?戦国時代じゃないですか」
「……それもそうか」
私の言葉に左之助さんは納得し、緋村剣心も「確かに真田は戦国時代でござるか」と頷きつつ、魔導具「灯」を拾って見つめています。
あまり見続けると目を痛めますよ?
「……なんか焦げ臭くねえか?」
「弥彦もそう思うか。確かに、ちょっと焦げ臭えんだよな」
スンスンと鼻を鳴らすみんなに「防毒面を着けているのに、臭いは嗅げるんですか?」と聴いたら、鼻を鳴らす音が消えて、歩き始めてしまった。
左之助さんに下ろして貰い、しとりとひとえを代わりに抱っこしてもらう。これだけ歩いていたら、体力オバケのしとりとひとえでもつかれているはずです。
「……蹄の跡と靴底の跡もありますね」
蹄の傾きから考えるにアニメと同じく騎乗槍を使用する戦法を取るのでしょうが、緋村剣心は老いて天翔龍閃はもう使えません。
明神君か左之助さんがメインになる。
斎藤一がいれば緋村剣心に負担を掛けることは減るんですが、おそらく洞穴に入ろうとする真田忍群の人員を押さえてくれているんです。
「ムッ。何か飛んでるな」
「蝙蝠ですけど。しとりの影に潜んでいるドン達の気配に気付いて寄ってきませんね、このまま進んでしまいましょう」
「景は先頭を歩くなよ?」
「歩きませんよ?」
私が先頭を歩いたら絶対に死にます。攻撃を躱せず、ボロボロになって死んでしまいます。強い人に先頭を歩いてもらえるほうが安心できます。
私は貧弱でひ弱で脆弱で虚弱でか弱い命ですから、自分を誇示する事はありません。だって、怖いですし、恐ろしいですから。
私は見守るか隠れているんです。