六文銭。
真田忍群の家紋を見据えつつ、キリキリと引き絞る弦の音に気付いた左之助さんは地面を片腕で殴り砕き、岩盤を力任せにひっくり返し、手裏剣を受ける。
「仕込み籠手でしょうか?」
「お前の作ったヤツか?」
「私の作ったものは、もっと小さくて簡略化したものです。あんな風に腕に固定する形状の
いわゆる、リストボウの旧式ですね。
現代だと単発式のスリングショットとしても愛用している人は多く、鉄球だけでなく撒き菱、特殊弾(催涙弾や煙幕弾)もよく使われている。
「糸色景、我々に着いてきて貰おう」
「断る。景はオレの女房だ」
ひとえを抱っこしたまま私を抱き上げ、そのまま全力で走り出す。私、重くないですか?と聴こうにも左之助さんは全力で走っているため、おいそれと話しかけることは出来ません。
「逃がすな!」
「追ってきてますよ、左之助さん!」
私の言葉に左之助さんは地面を踏み砕き、その礫や岩を蹴り飛ばして遊撃し、また走り出してしまう。流石は左之助さんです。
「剣心達はどこだ!」
そう言って更に走る速さを増していく左之助さんに見えるように指差し、彼は私の指差す場所へと走り、その揺れにひとえも目を覚ましてしまう。
ものすごい眠そうにしながらも目を開けたひとえは手を壁にぶつけた瞬間、亀裂が走り、後ろを追いかけてきていた忍者達の姿は見えなくなりました。
「くぅ……」
「はっ、ははは、ひとえはオレに似たな」
「そ、そうですねえ」
私のへなちょこなパンチではこうはなりません。
嬉しそうに笑う左之助さんの腕の中に丸まるように身体を動かすひとえの頭を優しく撫でてあげ、緋村剣心達の背中がみえてきました。
どうやら此方にも忍者は来ていたようです。
「しとり、電光丸で突いちゃダメですよ?」
ビリビリとしたコミカルな電気ではなく、バチバチバチ!とリアルな電流に包まれ、ビクビクと痙攣する忍者は流石に可哀想です。
電光丸を鞘に納めたしとりは、ぷくーっと頬っぺたを可愛らしく膨らませながら「あいつ、母様を脳だけのグズって言ったもん!」と理由を教えてくれた。
そっか、お母さんのために怒ってくれたんですね。
「ありがとう、しとり。お母さんは守って貰えてとても嬉しいです」
よしよしとしとりの頭を優しく撫でてあげながら、嬉しそうに目を細めて笑うしとりの事を抱き締めつつ、更に奥へと進みます。
忍者もみんな生きているので、大丈夫ですよね?