某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

1304 / 1304
燃える湖面 序

軽快な馬の駆ける音に迫られ、逃げた先にあったのは花園だった。青い、蒼い、碧い、草原の生えた場所に私達は立っている。

 

「遂に見つけたぞ、聖なる霊薬」

 

うっそりと笑みを浮かべた馬上の男の目は燦々と輝き、ここで戦えるのは緋村剣心だけです。私は、非戦闘員ですし、しとりもひとえも剣路君も子供です。

 

お父様は能の動きで翻弄していましたが、直接的な攻撃は一度もしていません。お母様も薙刀を構えていますが、お父様に止められています。

 

「ここは拙者が相手をするでござるよ」

 

「剣心!?何言ってるのよ!」

 

「そ、そうですよっ。危ないです!あの馬の側面に有るのは騎乗槍ですし、馬の最高速度で放たれる突きはとても危険なんです!」

 

「では、尚更でござる」

 

刀々斎の打ち直した逆刃刀を抜刀し、緩やかに構える緋村剣心に何かを言おうとした次の瞬間、瓦礫を伴って忍者が飛び込んできた。

 

「なんだ?まだ始まってなかったのか」

 

「弥彦、おめえ馬鹿力になってねえか?」

 

「鍛えてはいる」

 

グルリと肩を回しながら、血に染まった脇腹や足をそのままにやって来た左之助さんと、木刀の峰を右肩に置き、上半身の着物をはだけた明神君がテラスのように加工された岩肌の上に立っている。

 

「東洋の猿が、足止めもまともに出来んのか」

 

「ん!おサルさんじゃないよ!」

 

馬上の男の言葉にしとりは怒りつつ、電光丸を抜こうとするので慌てて止めます。しかし、向こうも三人、此方も三人の構図になりました。

 

───ですが、くの一がいません。

 

「剣心、馬の男はオレが代わってやる」

 

「左之、出来るのでござるか?」

 

「おうよ。こちとら日本最強の喧嘩屋だ」

 

いえ、世界最強の喧嘩屋ですね。不破信二と陸奥もいますが、私は左之助さんが一番強くてカッコいいと思っています。

 

これは絶対です!

 

そう意気込んでいると視界の端に光るものが見えると私の首が落ちる瞬間が頭の中に流れ、慌ててしゃがむとお母様の薙刀とくの一を小太刀が頭上でしのぎを削っていました。

 

「ひ、ひぃんっ……!」

 

薫さんに抱き起こされながら、危うく死にかけていた現実に半泣きになり、情けない泣き声が出てしま──しとりが似蛭を抜き、くの一の肩を斬った。

 

「母様を殺そうとした。だから殺す!」

 

「し、しとり、殺しちゃダメですよ?」

 

「じゃあ、半分殺す!」

 

それもダメです!と思わず、しとりを抱き締めて似蛭を握る手を覆うもゴクンと血を飲む音が似蛭の刀身から聴こえ、イヤな気配が増すのを感じる。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

【完結】何だかんだと恋運ぶ呪いの花(作者:SUN'S)(原作:らんま1/2)

▼【挿絵表示】▼一人は糸色家の娘、二人は本条家の姉弟だ。▼明治最強の血筋を受け継ぐ姉弟と、明治時代から世界屈指の名を連ねる糸色の娘は、これから巻き込まれるドタバタでハチャメチャなラブコメディーに笑い、呆れながらも、時には戦いながら歩んでいく。▼ちなみに姉弟は私の書いた「某剣客浪漫世界で私は物書きをする」および「もしも「るろ剣」の世界に糸色景がいたらのスレ」に…


総合評価:193/評価:6.25/完結:441話/更新日時:2026年07月20日(月) 22:05 小説情報

もしも「るろ剣」の世界に糸色景がいたらのスレ(作者:SUN'S)(原作:るろうに剣心)

「某剣客浪漫世界の物書きお姉さん」が本誌だったら?という感じのスレっぽいやつです。▼【本編】▼https://syosetu.org/novel/327970/▼【黒死の蝶の唯一留まる花】▼https://syosetu.org/novel/381420/▼【風薫る日陰に寄り添う妙花】▼https://syosetu.org/novel/387840/▼【か…


総合評価:972/評価:6.42/短編:406話/更新日時:2026年08月07日(金) 22:35 小説情報

転生して型月版・沖田総司になったけど、労咳を克服したら明神弥彦の母になっていた件 〜るろ剣世界で最強のママやってます〜(作者:だいたい大丈夫)(原作:るろうに剣心)

かつて京都を震撼させた「人斬り抜刀斎」と並び称された、新選組一番隊組長・沖田総司。▼労咳の運命を越え、彼女が手にしたのは平穏な明治の世と、亡き夫が残した一人息子・弥彦だった。▼しかし、その剣はまだ、錆びついてはいない。▼「たまには人を斬っておかないと、腕が鈍るでしょう?」▼昼は息子の教育に頭を悩ませる士族の未亡人。夜は月夜に紛れ、暗殺者として死体の山を築く。…


総合評価:3177/評価:6.8/連載:88話/更新日時:2026年06月07日(日) 22:37 小説情報

小心者、コードギアスの世界を生き残る。(作者:haru970)(原作:コードギアス)

突然『自称神様』に転生か輪廻に吸収される二択を迫られた(方便上の)男は転生を決めた。▼『神様転生だー! しかも特典あり?! イェーイ!』と浮かれるも束の間だった。▼『死亡率の高いコードギアスやんけ?! ブリタニア貴族でハーフでしかもカレンが俺のお嬢様……だと?』▼地雷満載の作品を、小心者は生き残るために覚えている原作知識を振り絞った虚勢を張る。▼そして勘違い…


総合評価:10480/評価:7.43/連載:347話/更新日時:2026年08月03日(月) 07:30 小説情報

冬木アクターズ・ラプソディ ~観光に来た演劇バカの女子大生、うっかり龍之介を轢いてしまったので、キャスターの「ジャンヌ役」として聖杯戦争を完遂します~(作者:斉宮 柴野)(原作:Fate/)

演劇を愛し、演劇に愛された女子大生・聖上真樹(19)。 彼女は観光で訪れた冬木市にて、役作りの練習中に通行人を驚かせ、不運な交通事故を誘発してしまう。 その被害者は、指名手配中の連続殺人鬼・雨生龍之介だった。▼罪悪感(と興奮)に震える彼女の前に現れたのは、奇怪な術衣を纏った目玉の大きな外国人。 彼は涙を流し、真樹を見てこう叫んだ。▼「おお!! ジャンヌ!! …


総合評価:8725/評価:8.55/連載:85話/更新日時:2026年07月30日(木) 23:04 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>