某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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燃える湖面 破

馬上の男、メルダース中尉は騎乗槍を用いてチャージング(いわゆる突撃戦法)を行い、左之助さんの事を攻め立て、馬の手綱を引き、旋回と横薙ぎを同時に繰り広げ、素手の左之助さんを間合いに踏み込ませない。

 

「どうした!口先だけか!」

 

「チクチクとうざってぇ!!」

 

メルダース中尉の放つチャージングを避ける瞬間、右腕を突き出して騎乗槍の先を握り締めた左之助さんによって彼の身体は傾き、馬も前進を止める。

 

「オラ、逃げてみろよ」

 

「この猿めがッ!」

 

馬の馬蹄を利用し、左之助さんを蹴り抜くメルダース中尉ですが、左之助さんの身体は不破信二でも破壊できない頑強さを備えています。

 

馬の蹴りなど効きません。

 

チラリと明神君の方を向けば、シュナイダー少尉と切り結んでいます。ただ、アニメオリジナル編「黒騎士団」に登場した好青年ではなく、威厳を宿した成年となった彼の顔付きは鋭い。 

 

一切の私情を挟んでいないのですね。

 

声は聴こえないけれど。

 

お互いの剣理を競い合っているようにも見えていたその時、緋村剣心が片手間に相手を倒してしまった。老いて尚、幕末最強の称号は彼のもの────。

 

「景、蛮竜を呼ぶぞ!」

 

「え、あ、はい!」

 

慌てて戦っていない人を集めて、ひとえの持っている懐剣を一時的に返して貰い、みんなを守るために結界を張ってもらえるように懐剣にお願いをする。

 

「来やがれ、蛮竜!」

 

来轟。

 

青白い雷撃を纏って天井を突き破って現れた蛮竜を掴み、肩に担いだ左之助さんに目を見開き、騎乗槍を構えたまま動かないメルダース中尉に私は首を傾げる。

 

「よもや私の他に持つ者が居ようとはな」

 

あ、これ強敵のパワーアップ現象ですね。

 

そんなことを考えていると、メルダース中尉の身体に纏う鎧が動き始める。妖怪と一体化した鎧、いえ、呪われた装備ですね、あれは。

 

私の記憶に該当する物はありません。

 

おそらく自生したものです。何年も使い込まれ、血を吸い、呪われた装備に変わり果ててしまった。蛮竜とは似て非なる存在と言えます。

 

「さあ、勝負を再開しよう!」

 

「上等だぜ!」

 

左之助さんも蛮竜の雷撃を纏って駆け出し、攻撃をぶつけ合い、荒々しく妖気が吹き荒れる。あんなに強くなっても、左之助さんよりまだ強い不破信二は本当に人間なんでしょうか?

 

やはり、妖怪か何かなのでは?と悩む最中、お母様は当たり前のように気を失ったくの一を引きずって戻って来ました。

 

流石は師範です、お母様は素敵です。

 

…………お父様も格好いいですからね?

 

 

 

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