某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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決着 急

退院後、私はジャージに着替えています。

 

ドクトル・バタフライの作ってくれたものですけど。服の質感や伸縮性を考えると、かなり現代の代物に近しいと思えます。

 

「では、体力測定を始めよう」

 

「は、はいっ」

 

ストレッチを終えるだけでヘトヘトになりながらも体育館みたいな空間に困惑する私の隣に移動してきたススハムに驚きつつ、ストレッチを手伝って貰える。

 

この体育館めいた場所に戸惑いはないのでしょうか?と首を傾げ、ストレッチを再開します。が、私の身体は直ぐに悲鳴を上げる。

 

「痛いっ、痛いです!」

 

「いや、お辞儀程度の前屈も出来てないわよ…」

 

「筋肉が固まっているようだね」

 

うぅ、二十八歳に体力測定はキツいです。

 

拷問と変わりませんよ、ひどいです。

 

「まずは握力測定だ」

 

「比較対照がアタシでいいの?」

 

「うむ、そこは問題ない」

 

ドクトル・バタフライの差し出す握力測定器を先に握るススハムの握力は左右ともに42kgでした。ゴリラよりまだ弱いですけど、普通の男の人並みですね。

 

「糸色君、君の番だが出来るかね?」

 

「が、がんばります!」

 

握力測定器を受け取って、グリップを握る。

 

「ふ、んんぅぅ……!」

 

「……右手は11kgだね」

 

「ちょっと、雑魚過ぎない?」

 

「や、やあぁぁ……!」

 

「……左手は13kgか」

 

「ちょっと、ゴミじゃない?」

 

「ひぃ、ひぃっ、けほっ!けほっ!」

 

さ、流石に20キロは越えているはずです!

 

そう意気込みながらドクトル・バタフライの差し出してくれた測定結果を見ると一般的な女子小学生……低学年程度の握力しかありませんでした。

 

「で、でも、お米は持てましたよ?」

 

「若かったからよ」

 

「ひぐぅっ」

 

そ、そうですよね。

 

もう、おばさんですもんね。

 

そこから、体力測定は続きました。

 

相楽景、50メートル走、23秒。*1

 

ススハム、50メートル走、3秒。

 

相楽景、反復横跳び、9回。*2

 

ススハム、反復横跳び、853回。

 

相楽景、ソフトボール投げ、3メートル。*3

 

ススハム、ソフトボール投げ、500メートル。

 

相楽景、立ち幅跳び、転倒。*4

 

ススハム、立ち幅跳び、100メートル。

 

相楽景、持久走、不参加。*5

 

ススハム、持久走、1分4秒。

 

「貴女、よく生きてこれたわね」

 

「へぐぅッ…!」

 

わ、私だって頑張っているんです。確かに人としてダメだと思いますけど、それでも頑張っている事を出来れば評価して貰えると嬉しいです。

 

しくしくと涙を流しながら、ススハムに抱き上げられ、更衣室で着替えることになりました。私、絶対に一ヶ月は筋肉痛のままになりそうです。

 

 

 

*1
休憩有り

*2
休憩有り

*3
助走有り

*4
スタート失敗

*5
心肺の病気のため

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