夕焼けに染まるセントルイスの大通りを抜けて、私達は宿屋を借りて一泊することになった。ビュー・バンズとウィル・ジョンストンの二人には、明日くらいにでもサイン・トゥ・ウエストを見せ合えば良いけど。
左之助さんにシンボル入りとはいえ回転式拳銃を贈ってきたドクトル・バタフライの考えを読み取ることは難しく、この未知の残る「GUN BLAZE WEST」で彼は何を成そうとしているのだろう。
「また悩み事か?」
「いえ。ちょっとドクトルに対する不満が……コホン、ドクトルの贈ってきた左之助さん宛ての『GUN BLAZE WEST』の切符が拳銃なのが不満なんです」
「回転式の拳銃か。確かに蝶野のヤツを追ってた女に構えてたのが居たが、オレは気にしてねえさ。それにオレの武器は拳と蛮竜だ。切符は切符として、そのまま何かに使ってやればいい」
クルクルと格好付けてガンスピンした瞬間、左之助さんの指が拳銃の引き金を引いてしまい、バァンッ!という発砲音が宿屋に響く。
チラリと左之助さんを見れば「お、おお、こんな簡単に撃てんのか」と恐る恐る指を引き金から外して、ゆっくりとテーブルに回転式拳銃を置いた。
……いや、そもそも弾丸を込めて渡さないでくれない?とドクトル・バタフライに文句を心の中で言いつつ、シリンダー内部に残っていた残り五発の弾薬を抜き取る。
「しとりはあれで起きないのか」
「お昼寝したのに、ぐっすりですね」
そういえばお父様も仕事の無い日は日向ぼっこやお昼寝を楽しむ人だったし。ひょっとしたら、そういうところが遺伝しちゃったのかな?
クピピと可愛い寝息を立てるしとりの寝顔を眺めつつ、私達も眠ろうとベットに向かったその時、どこかで爆発する音が左之助さんが窓に駆け寄っていき、力任せに窓を押し開けた。
「ただの火事じゃねえ……爆薬か?」
「此方を見ないで下さい。ずっと一緒に居るんですからダイナマイトを持っていないのは知っているでしょう。それにアッチはジョンストンさん達が帰った方角です」
「昼間の嫌がらせかッ……!」
「えっ、あ、行っちゃった…」
そのまま勢いに任せて窓枠を飛び越え、火事の起こっている場所へと向かっていく左之助さんの背中を私は見つめることしか出来なかった。
原作だとやり返しに行くはずだけど。
左之助さんも混ざったら大変な事になるんじゃ……ギラギラと光る自称セントルイス一番の
そして、誰かが此方を見つめていた。
金髪の青年だけど、知らない人だ。