某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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奇なり 序

最近、左之助さんは変です。

 

私の関節をなぞって、どういう風に動かせば骨を外せるのかを真剣に考えています。とても怖いですし、私に何をしようとしているのかも謎です。

 

「(誤解させてますよね、絶対に)」

 

左之助さんに誤解を与えた斎藤一に訂正して欲しいです。私の言葉だと聞き入れて貰えない可能性もありますし、倉の地下室を掃除しています。

 

あそこは、もういやです。

 

「(しかし、どうしましょうか)」

 

普通に考えて、私に出来ることは頑張って誤解を解くことですけれど。その誤解を解くために必要な行程が消えている気がします。

 

いえ、そんなはずないですよね。

 

「景、少しいいか?」

 

「はい、なんですか?」

 

後ろに振り返ると、明らかに背中に何かを隠している左之助さんが立っていました。怖いです。包丁やノコギリだったら、どうしよう。

 

そんなことを考えながら、左之助さんに近づくと首を掴まれ、チョーカーを着けてもらった。これ、本当に直してくれたんだ。

 

「首、ずっと触ってたろ?」

 

「……ありがとう、ございます」

 

すごく嬉しいと想い、左之助さんの胸に抱きついてしまいます。今は恥ずかしさよりも嬉しさのほうが上回っています。

 

やっぱり、めた好きです、左之助さん。

 

「…左之助さん、大好きです」

 

「オレも大好きだ」

 

愛しています、愛して下さい。

 

「左之助さん…?」

 

ふと、肩を掴む強さに戸惑う。

 

「い、痛っ、いたいです」

 

「ッ、わるい」

 

突然のことにビックリしながらも、左肩を撫でて、ゆっくりと後ろに下がろうとした瞬間、左之助さんの手が私の腰を掴み、また抱き締めてくれました。

 

迫る唇に抗えませんでした。

 

「んッ、んんんっ、っやえ、はあ……」

 

「......悪い。お前の顔を見てたら、すげえ接吻したくなってきたんだ」

 

「...そ、そうですか」

 

浅く速く鳴る心臓に怯えつつ、ゆっくりと呼吸を整えるように酸素を吸い、二酸化炭素を吐きます。なんだか変な事を言っている気がしますね。

 

「苦しかったよな、ごめん」

 

「だ、だいじょうばです」

 

「ば?」

 

か、噛んだだけです。

 

「そうか。もう少し、していいか?」

 

「......く、くるしくない程度なら」

 

「わかった」

 

ゆっくりと頬に触れる手、目尻をなぞられ、近付いてくる大好きな人の顔を恥ずかしくて直視できず、目を瞑り、唇に触れる少し固い唇と、吐息に腰が抜ける。

 

「ひっ、あっ…えぉ?…」

 

「鈍くなったのか。弱くなったのか。景はいっつも分からない反応するよな」

 

そう、なのでしょうか。

 

 

 

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