姿お姉様は美人です。
162センチメートル。バストサイズはCカップほど。私のギリギリBカップに届かないAカップとは雲泥の差です。ハッキリと言ってしまうと羨ましい。
女性に変身して、縮んでも背丈は上です。
「姿お姉様、ズルいです」
「ハハハ、流石に反応しづらいね」
私は薄くて細いだけですが、姿お姉様は健康的な薄くて細いです。脂肪を蓄える事の出来ない分、とても私の身体は軽くて弱いのです。
「姉妹なのは頷けるな」
「女の姿も好きよ」
「ありがとう、鎌足」
にこやかに笑い合う二人。
とても微笑ましく綺麗な光景だと思いつつ、私の腰を挟むように握り込み、自分のお膝の上に乗せる左之助さんを身体を少しひねって見上げます。
「左之助さん、どうかしましたか?」
「いや、ムカつくから対抗してる」
「……フフ、なんですかそれ」
クスクスと笑って、左之助さんの手を握りながら楽しそうに話す姿お姉様と鎌足お義姉様の二人を見つめる。やっぱり、とても仲良しです。
しかし、困ることばかりでもあります。
姿お姉様と姿お兄様、どちらで統一するべきなのかを未だに悩んでいるのです。正直に言えば姿お兄様としてのイメージは強いです。
いえ、元々男性なんですけれど。
本当に姿お兄様は悩ましいです。
「ところで、景は何しているんだい?」
「今は療養と執筆です。やはり、広まってしまうと読みたいと言われることが増えているんです、嬉しいけど。少しだけ怖くもあります」
私の偽者もいるそうです。
ただ、出版社も目利きは鋭く。私の愛用する墨とは違うと判断してくれ、そちらに委ねて色々と調査を進めて貰っている途中です。
「ああ、そういえば自分の事を糸色だと名乗る人間が増えているようだよ。全く、これには父様も迷惑していることだろうね」
「霊視の使えない人間は糸色ではありませんし。この目も普通の霊媒者の方々とは違いますからね」
どちらにせよ、警戒は大事です。
「姿お姉様もお会いに?」
「いや、僕は会っていないけど。鎌足が絡まれて面倒だから殴り倒したらしい」
「あんな雑魚は拳で十分よ」
かっこいいですね、鎌足お義姉様。
……ただ、姿お兄様に直接話しかけずに鎌足お義姉様を狙っているあたり。相手は正確に姿お兄様の見た目や容姿を把握していないのでしょうね。
とは言え、私も危ないです。
私は実名で執筆していますし、そういう拗らせ方にも理解を示せてしまいます、もしものときを考えて、出来るだけ注意しないとです。
左之助さんにも注意してもらわないとです。