しとりとひとえと一緒に算盤の使い方を学ぶ剣路は細かく計算するのは、まだ苦手みたいです。薫さんは家計簿を付けていますし、直ぐに答えを算出します。
「算盤って慣れるまで掛かるわよねえ」
「慣れたら簡単ですけどね」
そう薫さんと話しながらチラリと彼女の胸と自分の胸を見比べ、小さな溜め息をこぼす。齢二十九歳(先日、誕生日を迎えました)にして、まさか胸の大きさにコンプレックスを抱いてしまうなんて......。
「どうかしたの?」
「あ、いえ、少しだけ悲しみを…」
私は脳機能に栄養素のリソースを割いているため、小柄な上に身体が細くてか弱くてひ弱で貧弱で虚弱で脆弱なのは理解していますけど。
やっぱり、悲しくて辛いです。
左之助さんに聞いてみましょうか。
「できたー!」
「ん!ひーちゃん、早い!」
「ひとえちゃん、早すぎるよ」
しとりと剣路君の二人に驚かれるひとえは答えを書いた紙を持って私と薫さんの座る方に来て、ワクワクと私達の事を見つめています。
「…景さんに似て、頭も良いわね」
「フフ、正解です。ご褒美のお団子です」
「あいー!」
バッと可愛らしく両手を万歳するように上げたひとえはみたらし団子を手に取り、私のお膝の上に座って食べ始めてしまいました。
「今日のヤツは左之助の突いたお餅?」
「いえ、私が麺棒と手で捏ねてものです」
早さは要りませんし。
手で捏ねて均一に仕上げています。
お餅は美味しいときに食べたいですが、みたらし団子は少し冷やしても美味しいのです。
「「できた!」」
「あら、同時ね……うん、二人とも正解!」
「しとりが先に選んでいいよ」
「ん!いいの?」
「うん」
「じゃあ、半分こしよ!」
ニコニコと笑ってみたらし団子と三色団子を一つずつ分け合うしとりと剣路君のやり取りは微笑ましく、とても可愛く見える。
やっぱり仲良しさんですねえ。
「むう、ねーさま、ずるい!」
「けんちゃんはお餅はわたしのだよー?」
「ひーも半分こしたかった!」
花より団子ですね。
「(それにしても、しとりは無意識で剣路君の傍に座ることが増えましたね。昔は見つけると近付いていたのに、今は仲良しでピッタリとくっついています)」
とても、とても、可愛くて、ソーキュートです。
よしよしとしとりの頭を優しく撫でてあげ、対抗するように頭を押し付けてくるひとえの頭も優しく撫でてあげます。
二人のそういうところは大好きです。
「……そういえば、左之助がまた剣心と夜に何かしてたけど。景さんは知ってる?」
「いえ、私は聞いていませんよ?」