三日間、死ぬかと思いました。
私には何しても問題ないと思い込んでいるように思える左之助さんについて、どうにかしなければいけないと私は考えています。
正直に行ってしまうと左之助さんは破廉恥です。私に対して自分は何をしても許される立場だと、彼は絶対に考えているに違いありません。
「左之助さん、お話があります」
「...改まって、なんだ?」
「一週間、私に触るのは禁止です」
「一日だ」
「ダメです」
「なんでだッ」
「ご自分の胸に聞いて下さい」
そう言って私はドクトル・バタフライの作ったバリアーを張る髪飾りを身に付けると左之助さんの手は見えない壁に当たり、すごく困惑しています。
「二重の極みを撃つか」
「そ、それは流石に怖いです」
うろうろ、うろうろ、と。
居間に正座する私の周りを観察するように歩き、背中や肩、腰を触ろうと手を伸ばす彼の手付きは破廉恥だったため、見えない壁に阻まれる。
とても安心しますけど。
……ただ、この髪飾りは充電式なので外して日光に当てないといけません。その間はやっぱり無防備になってしまうので、どうにかしたいです。
「絶対に触るぞ」
「ダメです」
「景、オレは旦那だぞ」
「知っていますよ?」
なにを言っているんですか?と首を傾げながら、左之助さんの言葉の意味を考えるも分かりません。いえ、分かるには分かりますけど。
なぜ、そんなことを?
「左之助さん、ダメですよ?」
「チッ」
「し、したうち?」
「オレも怒るぞ、景。好いたヤツに触れられねえなんざ地獄の苦行よりも辛いんだ。なあ、頬に触るぐらい許してくれねえか?」
「そ、それは、その」
左之助さんが悲しい顔で私を見つめ、思わず、髪飾りを外してしまった次の瞬間、瞬きよりも速く髪飾りを奪われ、握り砕かれた。
「よし、覚悟しろよ景」
「こ、ころさないでぇ…」
私の肩を掴み、ギラギラと光る目を向ける左之助さんの怖い目に見られ、身体が強張り、震えてしまう。私は悪いことしていませんっ。
左之助さんが加減しないから悪いんです。
「……左之助さん、私も怒るんですよ?」
「無理だろ」
多分、怒る、はずですけど、
怒れるかな、いえ、怒ってみせましょう。
「こ、こらー、なんて……えと、すみません」
「なんで謝るんだよ。面白かったぞ」
「面白さは求めてません!」
ただの醜態を晒すだけでしたっ。
「景、お前は本当に怒るのに向いてねえな」
「怒る感情はあるんです。でも、仕方ないと落ち着いてしまうと言いますか、それで納得してしまうというかですね」