某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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お帰りください、ぬらりひょん 序

「来たぞ。糸色」

 

「帰れ」

 

「お前には聞いていないぞ」

 

ぬらりひょんが、ぬらりひょんといます。

 

いえ、同族はいるものですけど。

 

「帰れ」

 

「なんでぇ俺にも素っ気ねえのかい?」

 

ぬらりと私の真後ろに立った黒髪のぬらりひょん(・・・・・・・・・)にビクリと身体を震わせて、私の事を見下ろす涼やかな瞳────。

 

「奴良鯉伴」

 

「へぇ、俺を知ってるのか」

 

「儂も知っとるらしいのう」

 

三人もぬらりひょんがいます。

 

泣きそうになりながら左之助さんの後ろに移動し、「ゲゲゲの鬼太郎」の方のぬらりひょん様にコソコソと「どちらでお知り合いに?」と聞けば「花街で出会ったんじゃよ」と言われ、スンとなりました。

 

初代ぬらりひょんは桜姫と祝言を挙げていたはずでは?と訝しみ、戦国時代の出来事だった事を思い出して、それなら仕方ないのかも知れないと考えます。

 

「......オイ、景にあんま近付くな」

 

「取りゃあせんよ。のう?」

 

「しかし、こりゃあ狐憑きか?」

 

「いや、この気配は戦骨じゃのう。儂にバカみたいに突っ込んできた人間はアイツか戦骨じゃで」

 

戦骨。

 

貴方はどこまで…!

 

自分のご先祖様と知って以降、正直に言ってしまうと「ああ、だから姿お兄様はあんなに」と思ったりしましたけれど。

 

戦骨は、私の想像を超える宇宙怪獣です。

 

「しかし、何人スッパがおるんじゃ?」

 

「さてのう。儂が来たときは十人じゃった」

 

「なら五十人はいるな」

 

私達の家族を無限に増えるモンスターと勘違いしてます?と聞きたくなる一言に困惑しながらも居間ではなく、大広間の方に案内し、ショドウフォンでお茶を用意し、三人の前にほうじ茶と羊羹を並べます。

 

怪しまずに食べますね。

 

「……食ったことのない味じゃな」

 

「少し苦いが、カーヒーか?」

 

「すごいですね、珈琲豆を繋ぎにしているんですが、一口で気付いたのは娘を除いたらぬらりひょん様が初めてですね」

 

「...景、まさかオレのもそうだったのか」

 

「左之助さんはいつも美味しいと言うばかりですから、たまに餡を混ぜたりしていますよ」

 

クスリと笑って、そう告げる。

 

「仲良しだな」

 

「おう」

 

「しかし、随分と腹の中に巣食う者がおる。そっちの禿げたぬらりひょんに聞いたが、お主が『地獄の鍵』を納めとる器なんじゃろう?」 

 

隠し立ては無理ですよね。

 

というより隠せませんよ、これ。

 

「はい。確かに私は『七つの奥義(・・・・・)』の全てを納める器になりました。いずれは返すつもりですが、貴方達に渡すことは出来ません」

 

閻魔大王様が怒りそうですし。

 

 

 

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