「しかし、本当に對の子供か?」
「ついきってだれだ?」
「遡ると糸色家の二代目に当たる人物です」
すでに時系列的に考えると十五代目を越えた糸色に何を求めているのかは知りませんが、糸色對様に似ているというのは些か反応に困ります。
「景は景だ」
「妬けるのう」
妖怪名酒を飲んで寄っている三人のぬらりひょんに、どう反応したものかと悩みつつ、しとりとひとえは見つかって、すぐに孫娘のごとく可愛がられて満足そうに笑っていますね。
「かーさま、だっこぉ」
「フフ、どうぞです」
「儂もだぶぉっ!?」
左之助さん、ぬらりひょん様、奴良鯉伴に殴り飛ばされた初代様に頬を引き釣らせる。私、ハーレム願望はありませんので、そういうのはお断りします。
羊羹がお摘まみに変わり、お酒を飲んで枝豆を食べる四人から離れ、ひとえの布団を取り出して、眠る前に手洗いとうがい、歯磨きをさせます。
虫歯は怖いですからね。
「あー」
シャコシャコと歯ブラシで歯の裏側もしっかりと磨いてあげ、湯呑みで掬った水を口に含ませ、口を濯いでもらう。良い子ですね、ひとえ♪︎
「さあ、眠りましょうね」
「儂も寝かしつけとくれ」
「流石に年上はちょっと」
「おめえら、奈落みてえだな」
「「「あんな変態妖怪と一緒にするな」」」
奈落の変態性は妖怪共通なんですね。
ちょっとだけ安心しました。
あれを擁護していたら流石にもう結界の効果を極限まで高めていました。流石に妖怪を殺めるほど強力無比な結界の展開は行いませんけど。
だんだんと聖域化しているんですよね。文句は言いませんし、悪くも言いませんけど。このまま続けると聖域化しすぎて、一等地が高くなります。
「……なんぞ気配が弱まったな」
「霊気の弱さを何かで補っとるな」
「だから近付くなって言ってるだろ!」
「ん!ひーちゃんが寝るから静かにして!」
「みんな、うるさいのでお静かに、です」
しーっと人差し指を口許に添える。
しとりも同じように人差し指を口許に寄せた瞬間、刀が飛び出してしまい、危うく大変なことになるところでした。
それにしても、しとりは本当に物怖じしませんね。怖いものはないのでしょうか?と首を傾げつつ、ひとえの傍に寄って寝顔を見つめるしとりを見ます。
「……子供は良いもんだな」
「うむ」
「そうじゃのう」
ウンウンと頷いている三人に苦笑を浮かべつつ、ひとえに触ろうとする手をしとりに叩かれ、ものすごく残念そうに眠っているひとえを見つめていました。
やっぱり、かわいいです。ソーキュートです。