「小生意気になったな」
「天使ですか?」
「どういうことだ?」
全然、違うようです。
しかし、左之助さんは私が小生意気だと呟きましたけど、どうやら私の我が儘作戦は成功しているようで安心しました。
正直、左之助さんに申し訳なく思っていますが、それでも出来るだけ左之助さんに我が儘を言えるように特訓している最中です。
「やっぱり尻を撫ですぎたか?」
「......自覚していたんですね」
ちょっとだけ意外に思いながらも私は上半身をはだけ、壁に寄り掛かるように座っている左之助さんの事をキャンバスに描きつつ、微笑んでしまう。
こうしていると長屋の日々を思い出します。
あまり名前の売れていなかったとき、よく左之助さんの春画を描いていました。あの時は心臓も肺も今より健康でしたから、懐かしい。
ただ、当時は左之助さんのこともあまり信用できませんでした。あのときの左之助さんは少し荒んでいて、喧嘩も緋村剣心と戦うとき以上に頻繁にしていた。
あんなに殴り合って、目が覚めたらまた喧嘩をするなんて日々を送っていました。もしも私が話し掛けなかったら、もしも無視されていたら、他の世界と同じように結末は違っていたのかも知れませんね。
「景、景、景、景」
「はい。どうしましたか?」
「ひとえがまた変なの拾ってきたぞ」
スーパー戦隊のご先祖様でしょうか?と正門の方を見ると帆船みたいな見た目の何か───オルグがいました。ひとえは、オルグの頭の上にいます。
いったい、何をしているのでしょうか。
そんなことを考えながら、私はひとえを乗せている帆船オルグに邪気が無いことに気付きました。人の憎しみや怒り、妬み、負の感情で目覚めるオルグには珍しい現象です。
「おうおうおう!オレの港で暴れているらしいじゃねえか!いったい、どういうつもりだ、この辺りの海はオレの縄張りだぜ」
いったい、なにをしているんでしょうか。
なんだか大変なことになってきましたね。いえ、なにか悪いわけではありませんが、とても危ないことかもしれません。
ひとえも降りましょう。
「ひとえ、大丈夫ですか?」
「あい!」
ブンブンと手を振ってくれるひとえに安心しながら、左之助さんに連れていかれた帆船オルグは数分後には素直で優しいオルグになりました。
虐めたり叩いたりするのはダメだと思います。
しかし、オルグということは「百獣戦隊ガオレンジャー」も繋がっているわけで、平安時代から人々を守っている人はいるわけですね。