私達の知らない間にビュー・バンズ達は「GUN BLAZE WEST」を目指すアウトローと戦っていたらしく、左之助さんは凄く悔しそうにしている。
団長の言っていたフォートスミスにはやって来たものの。何なら不穏な雰囲気と怪しい町の景色に不安を感じながら、左之助さんと一緒に酒場に入った瞬間、一斉に私達に視線が向けられる。
「景、ちょっと先に行っててくれ」
「へ?」
突然の言葉に驚きながら左之助さんを見上げようとしたその時だった。それはもう鬼のように怒った顔でお酒をボトルで飲んでいた男の人をアッパーカットで殴り、天井を突き破る程の勢いで吹き飛ばしてしまった。
余りにも当然の事に私達も含めて困惑する最中、次々と拳銃や散弾銃を抜こうとするアウトローに近付き、その銃弾を蛮竜で受け止め、一人ずつ殴り倒していく。
どうしてこんなことを?
そう驚く私にウィリアム・ヘンリーが近付いてくるなり、小さな声で「さっきの客がネエサンのこと『良い女だから拐おう』とか言ってたんだけど。たぶん、アニキには聴こえてたね」と教えてくれた。
「ぬぁにっ、人のカミさんに手ェ出そうとする出歯亀野郎はブッ飛ばす!!死ぬまで殴る!テメェらが死んだらもっと殴る!!!」
「理不尽すぎる」
「おっちゃん、すげえな」
「団長みたーい」
ケラケラと楽しそうに笑う三人に溜め息を吐きつつ、私はしとりを抱っこしながらマスターにお水とアルコールの入っていないアップルジュースを注文し、麦稈を使って作ったストローを使い、しとりに飲ませてあげる。
ゴムを輸入している地方もあるし。
しとりのためにストローや安全な日用品を作ってみるのも有りかも知れないわね。
「騒々しい様だが、困り事かね?Lady」
「あっ、間に合ってます」
「あらら、フラれちゃった」
私の肩を抱こうとしてきた左之助さんより少しだけ背の高いファイヤーパターンの柄を入れた服を着こなす男性に足元に置いたアタッシュケースを向ける。
「調子に乗ってんじゃねえッ!!」
一人が回転式拳銃を引き抜いた瞬間、左之助さんが真上に向かって飛び上がり、私は足元のアタッシュケースの側面に付いた踏み込み式のスイッチを押す。
ボシュウゥッ……!!
アタッシュケースの開口と同時に粘着性を高めに高めたトリモチ爆弾が左之助さんを狙っていたアウトローに降り注ぎ、第二弾のネットランチャー、第三弾の目潰し爆弾が炸裂し、咳き込み、咽び泣く人の声で酒場の騒動は収まった。
「左之助さん、喧嘩するときは言って下さい。心配するじゃないですか。ほら、しとりもこんなに頬っぺたを膨らませて怒ってますよ?」
「いや、それ林檎水を溜めてるだけで」
「めっ!」
「……はい……」
しとりに怒られて素直に謝る左之助さんは良いお父さんです。危ないことをするなとは言いませんけど、余り怪我することは止めて下さいね。
「ムッ。騒々しい様だが、何かあったのか?」
「……
その言葉に「GUN BLAZE WEST」も終盤に近付いていることを理解する。けど、本当に私達は大丈夫なのだろうかと不安になる。