「あ、おかえへ?」
「どこだ?」
「しゃ、へ?あ?え?」
ドクトル・バタフライの研究施設に行っていた左之助さんは帰ってくるなり、私の着物を剥ぎ取って、ベタベタと私の身体を触り始めたところを、しとりの竹刀で止まることになりました。
「ん!母様はよわよわだからダメ!」
「とーさま、悪いことしてるのー?」
「待て、マジで殴るのはやめろ。地味に痛い」
「ん!苛めちゃダメだよ?」
「し、しとり、少したのみまあぁ?!」
「母ちゃんのためだ。許せ」
モゾモゾとはだけた着物を整えて、ずれて外れたサラシを戻すために寝室か書斎に向かおうとする私の足首を掴み、逆さまに私の事を引っ張る左之助さんにビックリしながら、着物を押さえる。
こ、このままだと頭に血が昇って死にます!
「な、なんでこんなことをっ」
「オッサンに聞いた。お前の身体の中に三人か四人は化物みてえなのが封じ込めてあるのも聞いた。だから、全部オレにソイツらを寄越せ」
「……左之助さん、降ろして下さい」
ドクトル・バタフライが転生者の事を教えたとは思えません。ただ、おそらく概要は似ている話を組み合わせて、私の身体の事を伝えたのでしょうね。
ゆっくりと降ろしてもらった私の身体をペタペタと触って怪我していないのかを確かめてくれるしとりとひとえにお礼を言いつつ、私は左之助さんを見据える。
「左之助さん、確かに私の身体の中にこの世に仇をなす危険な妖怪や怪物は収まっています。怖いですし、すぐに逃げ出してしまいたいです……ですが、子供を置いて逃げるなんて事はしたくありません」
「それがしとりとひとえを傷付けるかも知れねえってのは分かっているのに、お前は身体を酷使して自分だけやり遂げた気になるのか」
「語弊はありますが。そう、なりますね」
「母様の身体、悪いヤツいるの?斬る?」
「なぐれば勝てる!」
「し、しとり?なぜ、刀を?」
「ひとえも落ち着け。お前の拳なんて受けたらマジで景は死ぬからやめろ」
そうですね、死んじゃいますね。
「母様、よわよわ」
「うぅ、クソザコナメクジでごめんね」
「くそざこー?」
純粋なひとえに言われるといつもより辛くて苦しい気持ちになりますね。いえ、甘んじて受け入れるしかないのでしょうけれど。
「……景、夜に聞くからな」
「そ、それは、ご勘弁を……」
もう、お休みしたいです。
いえ、悪い意味ではなく失神するように眠るのは疲れてしまうのでお休みは普通に過ごしたいと言いますか。なんと言えば良いのでしょうか?