しとりの妖刀の総数は二百七本。
打刀、太刀、直刀、直剣、曲剣、様々な形状の禍津の力を持った妖刀達は自分の存在を誇示し、しとりの愛刀になろうとしていたした。
ただ、十本の妖刀は既に決まっています。
特に電光丸は一番の愛刀です。
不殺の意思を持っている妖刀であり、元々は科学の結晶だったとは思えないほど妖気を纏い、妖刀としての存在に染まりきっている。
ちょっと不安はありますが、しとりは大丈夫だと信じることが出来る。現代風に言えばしとりはもう中学一年生ですし、しっかりと学んでいます。
「? しとり、その刀はどこで?」
私の記憶に無い二百八本目の妖刀を見る。
「ん?んー、とね……わかんない」
しとりも答えられない剣?と首を傾げつつ、異様な見た目の妖刀を見つめる。
どう見てもお土産コーナーに有る「ドラゴンソード」とか「ドラゴンの巻き付いた剣」とか「ドラゴンの柄頭の剣」にしか見えません。
「見た目は、真魔剛竜剣なんですけど」
「しん、なに?」
「真魔剛竜剣です。
私の独り言に困惑するしとりとひとえと左之助さんに「志葉様達に似ているものです」と伝えたら、アッサリと納得してくれました。
やっぱり、安定の信頼度ですね。
「しゃべる?」
「斎藤さんの持っている竜骨精の妖刀も似ている気がしてきました」
「お前、これをアレと比べたら怒られるぞ」
「そう、でしょうか」
スヤスヤと眠るひとえをお膝の上に乗せて、私に苦笑いを向けてくる左之助さんの呟きに悩む。確かに、キーホルダー的な見た目のものはイヤですよね。
左之助さんの言う通りです。
「母様、持てる?」
「……重たいので持てません」
私の言葉にしとりは答えて、ドラゴンソードを持ち上げると柄頭の部分を眺めます。白虎真剣と同じなら構わないんですが、下手したら「五星戦隊ダイレンジャー」に巻き込まれてしまいそうですね。
「父様、持てる?」
「こんくらいなら片手で持てるな」
軽々とドラゴンソードを持ち上げた左之助さんに向かって蛮竜の電撃が飛来し、しとりは素早くひとえと私を引っ張り寄せて、電撃の範囲外に逃げました。
「また、速くなりましたね。しとり」
「ん!美味しいご飯のおかげだね!」
「……なんでキレたんだ、蛮竜?」
多分、同じ竜の気配を感じ取って浮気だと思ったんでしょうね。私からしたら左之助さんに手出ししているのは、蛮竜もなんですけど。