私の代用品を用意していた事が左之助さんにバレてしまい、お仕置きを受けてしまいました。だんだんと分かってきましたけど、私はわざとしている。
悪いことと分かっているのに、乱暴な左之助さんが見たくて良くないことをしてしまっているのです。それが、彼を悲しませると知っているはずなのに、私は最低な行為を繰り返していた。
もう二度と悪いことはしません。
怖いのは苦手ですし、痛いのも嫌いです。
「左之助さん、左之助さん」
「なんだ?」
「そろそろ離してほしいです」
そう言って私は両腕の前腕を握っている左之助さんにお願いしてみるものの、色好い返事は貰えず、むしろ不満そうで不服そうで不平そうで不安そうな左之助さんに見つめられてしまう。
あまり強い言葉は好きではありませんけど。
「景は油断したら変な事するだろ?もう、こんな手は要らないし。逃げる足も必要ないと思うんだが、どうだ?切り落とすか?」
「猟奇的な愛情は重すぎます。せめて、もう少しだけ五体満足で過ごしたいです」
「風呂も厠もオレが世話するぞ?」
「(左之助さんに負担を与えすぎて、おかしくなってしまったのでしょうか?)」と首を傾げつつ、目の前に座っている左之助さんに両手を広げ、優しく頭を抱き締めて、よしよしと優しく頭を撫でてあげます。
「左之助さん、怖いです」
「オレもだ。お前を失いたくねえ」
「そう言って貰えるのは嬉しいです。だけど、だからってお仕置きのやり方を、そういうことに集中させるのはダメだと思います」
「なんでだ?」
なんでって……コホン、このお話は終わりです。
「左之助さん、しとりとひとえのお昼を作るので手を離してもらえますか?」
「は?イヤに決まってるだろうが」
「えぇ……?」
グリグリと頭を胸に押し付けて、そう文句を言ってくる左之助さんに戸惑い、立ち上がるも左之助さんが立ち上がり、MIBに捕まったリトルグレイのような格好で両手を上げています。
「…っ、て、手が抜けちゃう!」
「細い腕だな」
空中ブランコのように浮かんだ身体を強張らせながら、必死に足を動かすも畳には届かず、虐めっ子みたいに笑っている左之助さんは、ちょっとだけ怖いです。
「ん!母様の危機を感じた!」
「あ、し、しとり、お母さんはここです!」
「……わたしもやるー!」
「(あ、遊んでいるわけではないんですが)」
私の真横を素通りしたしとりは左之助さんの背中をよじ登り、ニコニコと可愛らしく可憐に笑って、とてもソーキュートです。