私の事をジロジロと観察するお友達の視線に戸惑いつつ、しとりとひとえに遺す四次元袖を加えた着物を繕っていると、縁側の障子の向こう側に人影が見える。
「ひとえ、何かご用ですか?」
「かーさま、それひーの?」
「フフ、、そうですよぉ?ひとえが大きくなっても着ることが出来るように素敵なおまじないを掛けていますから安心してくださいね」
「あい!」
嬉しそうに笑ったひとえは座布団を持ってきて、いそいそと私の隣に座って私の針を使うところを観察しています。まだ、着物の作り方を教えていませんね。
私としとりの目は青く、ひとえは赤い。
普段は青色に近い茶色です。左之助さんの瞳は茶色みの多い黒目なので、遺伝的に赤色は……いるには居ましたね。戦骨と姿お兄様の目は赤い。
「ひとえ、もしかして見えていますか?」
「? かーさまは見えるよ?」
「いえ、見えない状態の幽霊など」
「見えるよ?ねーさまも見える!」
そう言って、にっこりと笑う末娘。
どうやら霊視を使うとき、赤く染まる体質のようですね。もしくは、私の『特典』の変化した異能による効果を示すものなのかも知れませんね。
「ひとえは、心弥君を」
「すき!」
「あらあら」
「でも、イタズラはだめだと思うの。とーさまも怒ってたから悪いことなんだよ」
プンスカと可愛らしく怒るひとえの頭をよしよしと優しく撫でてあげ、優しく労ってあげます。良い子のひとえはナデナデしてあげましょう。
「かーさま、かーさまも戦えるって本当?」
「誰がその様な恐ろしいことを?」
私が戦えるなんていうあり得ない現実に困惑しつつ、ひとえを見ると「そっかあ、ちがうのかあ」と、しょんぼりとしています。
ウソでも戦えると言えば良いのですが、子供にウソを教えたり吐いたりすることは絶対にしたくありません。あと、単純に私は、ウソが下手です。
「かーさま、かーさま」
「フフ、なんですか?」
「お膝で寝ていい?」
「えぇ、構いませんよ」
裁縫箱に道具を仕舞って、完成間近の着物を整え、私のお膝に頭に乗せて笑うひとえに羽織っていた羽織を掛けて、ポンポンとお腹を優しく叩いてあげる。
「かーさま、ずっといてねー?」
「えぇ、ずっと見守りますよ」
ひとえのお願いを聞いて、ゆっくりとリボンを解き、癖がつかないように髪の毛を整える。しとりもひとえも大切な私の愛娘です。
出来ることなら、ずっと見守ってあげたい。