某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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甲冑を纏う男爵 急

三日後の夜明け。

 

ものすごい量のアウトローがひしめき合う場所を双眼鏡を使って私は高い岳の上で眺める。ドクトル・バタフライも来ているのだろうけど。

 

彼の姿は見えない。

 

蛮竜を担ぐ左之助さんを応援しながらアウトローへと襲い掛かる騎士団の姿にビックリしてしまう。前世の記憶で知っているとはいえ現実で起こる様な殺し合いを楽しく見る気持ちにはなれない。

 

「私をお探しかね。糸色景」

 

「……毎回、舞い降りる理由は?」

 

「優雅な蝶は空を舞うものさ。───しかし、ウィリアムの話を聞いてくれたことは感謝している。ありがとう、私では彼の依存先になるだけで、根本的に解決に導くことは出来なかった」

 

そう言ってドクトル・バタフライは私に頭を下げて感謝の言葉を告げる。だが、彼の真意を読み取ることは出来ず、本当にそうなのかと怪しんでしまう。

 

「さて、私も観戦するとしよう」

 

「え?」

 

いきなり目の前に現れたチャフのスクリーンに驚きながらも先日も似たことをしていたと思い出して、彼ならこれぐらい簡単に作れるかと納得した。

 

「相楽君は甲冑男爵と戦っているようだが、随分と手加減しているな。男爵の鎧は私の設計した特別品、そう簡単に壊れる心配は……」

 

ドクトル・バタフライが自信満々に甲冑男爵の纏う鎧の解説をしようとした瞬間、左之助さんの左右のパンチを受け止めた甲冑男爵のガントレットが粉砕される。

 

流石は左之助さんですね。

 

「二重の極みの衝撃は相殺するように設計した筈だが、どういうカラクリを彼に仕込んでいるのか。少々、君に聞きたくなって来た」

 

「ガンマナイフの原理ですよ。複数の衝撃を身体の中心で重なるように二重の極みを撃つ。一撃必壊の攻撃を更に重ね、その破壊力を上乗せする訳です」

 

「成る程、良く考えた物だ。二重の極みを撃つ際、拳に掛かる負担は想像を絶するだろう。だが、二重の極みを手加減して放つ事でダメージを軽減し、打撃に集中点を作ることで破壊力はそのままというわけか」

 

一つを教えると百の理解を示すドクトル・バタフライの頭の良さに感心するけど。実際はとある漫画に登場する奥義を、そのまま左之助さんに教えただけなのよね。

 

「ここでビュー・バンズの登場したところで相楽君は喧嘩を譲るのかね?」

 

「譲りますよ。左之助さん、ああやって頑張る子供は大好きですから」

 

私の返答に彼は納得する。

 

集中した一瞬(コンセントレーション・ワン)を使うのは良いが、相楽君との戦いで燃える甲冑男爵にとって、その行為はむちゃ……アレは君の差し金かね?」

 

「へ?」

 

スクリーンに映り込んだのはビュー・バンズが「GUN BLAZE WEST」を目指す切っ掛けを与えたヘタレなガンマンのマーカス・ホーマーが甲冑男爵の攻撃からビュー・バンズを助け出すところだった。

 

まさか、ここで登場するなんて…!

 

「まだまだ楽しめそうな雰囲気だ」

 

「……終わるまで私も見守ります」

 

どんな結末を迎えるのか。

 

私も気になりますからね。

 

「───ところで知っているかね。『GUN BLAZE WEST』の最終回は甲冑男爵と戦って引き分けになるんだ。そして、そこにマーカス・ホーマーは登場しない。糸色景、君は二度目の原作改変を行ったんだよ」

 

「えと?」

 

「何、ちょっとした推測が確定に変わって嬉しい気持ちになっているだけさ。さあ、私達もまた『GUN BLAZE WEST』の結末を見届けよう」

 

その言葉に、私は首を傾げる事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

-第二部 完-

 

 




一応、第二部は完結になります。

私なりに変えるところは少しだけ変えてストーリーを進めていますが、この結末を無理やり変更して、内容を増やすと「GUN BLAZE WEST」でなくなると考えての完結です。

次回は「武装錬金」を個別化して投稿します。

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