糸色家主催「天挑五輪大武會」の参加者は千人を遥かに越えていると柏崎さんに聞き、フラストレーションの溜まっている武道家の多さにビックリします。
いえ、それは構わないんですけれど。
「(不破一族と陸奥一族総出で来るのはダメですよ。厳密に不破と陸奥を名乗っているのは一人だけですけど、見た目と雰囲気で分かります)」
山田圓明流。
田中圓明流。
佐藤圓明流。
吉田圓明流。
石田圓明流。
戸田圓明流。
斎藤圓明流。
伊藤圓明流。
陸奥圓明流。
紫藤圓明流。
川田圓明流。
岸田圓明流。
加藤圓明流。
小林圓明流。
菊田圓明流。
大山圓明流。
日野圓明流。
真柴圓明流。
真田圓明流。
伊達圓明流。
織田圓明流。
徳田圓明流。
水野圓明流。
藤田圓明流。
不破圓明流。
九鬼圓明流。
鹿沼圓明流。
佐伯圓明流。
飯田圓明流。
「(絶対にわざとですよね!?)」
まだまだ続く流派の名前に「真古流」や「飛天御剣流」「神谷活心流」「天然理心流」「自顕流」「眼力琉球武術」等々の見知った名前もあります。
しかし、武器許可の影響で竹刀や木刀を持った剣客も多く会場に集まり、よく見ると外国人も混ざっているのが分かります。
体格差を懸念する事もありましたが、左之助さんや悠久山和尚、石動雷十太など外国人を越える背丈の人はいますし。
破軍の不二もいます。
流石は8メートル、よく見えます。
そう私は感心しながらも比古清十郎に視線を向けるとお酒を飲んでいました。やはり、色々と聞きたいことも教わりたいことも多いしとりはチラチラと比古清十郎に視線を向けたりしています。
本当にいっぱいです。
分かってはいましたけど。日本にいる強い人はまだまだこんなにいたんですね。個人的な予想でしたけど、下手したら増えそうな感じです。
「かなり集まったな」
「左之助さんは有名ですからね」
「オレというよりお前の名前じゃないか?恵に聞いたが、糸色家は剣術の名家でもあるんだろ」
「姿お兄様の影響ですね。薙刀の事ならばお母様ですが、日本諸国も外国も巡っていた糸色となれば姿お兄様だけです」
単純明快すぎる答えです。
「糸色、お前の開いた催しとは思えないな。また担がれたのか?」
「比古先生!」
「しとりか。また随分と綺麗に育ってきたな」
「ん!」
比古清十郎に褒められて、嬉しそうに笑うしとりの姿にショックを受ける男の人は三人いました。左之助さん、剣路君、そして、私のお兄様です。
そういう意味で笑っている訳ではないのですが、しとりに好意や愛情を向ける人間の視線は比古清十郎に集まっています。
────けれど。そんなこと歯牙にも掛けず、比古清十郎は平然としとりやひとえの頭を撫でて、更に会場にいる人を煽る。
故意でしていますよね。
「景、アイツはブッ殺すぞ」
「……一応、言いますけど。緋村さんより強いですからね、比古清十郎は」