原作は連載中のため、何処まで行けるかな?
飛んで、三年後ですね。
帰国、そして 序
明治十六年、新章の開幕の時期────。
未だに慣れることのない船の揺れと海水の臭いに気分を悪くする私の頭を撫でてくれるしとりの優しさに泣きそうになりつつ、モッサリと生えた髭を剃っている左之助さんの後ろ姿を眺める。
「景、もう少しだから我慢してくれよ」
「…うっ…わ、わかってます…えぷ…」
「母ちゃん、がんばれ」
「お、お母さん…もしくはお母様と…!」
しとりの言葉遣いを注意しようとしたものの。船酔いが年々酷くなっているような気がしてしまう。五年も陸地で生活していたけど、そのせいなの?
いや、船酔いに陸地は関係無いわね。
そう船酔いを誤魔化すように考え事を繰り返し、繰り返し、しとりの頭を撫でたり、左之助さんのお髭の剃られるところを眺めたり、出来るだけ意識を紛らわす事を考え続けている。
五年ぶりに日本に帰る。
神谷さん達は元気にしているかな?なんてことを考えつつ、緋村剣心に怪しまれている事実に船酔いだけじゃなくて、頭痛も起こり、更に気分が悪くなる。
「陸が見えてきたな」
「にっぽん!」
「おう。オレと景の産まれた国で、これからはしとりも一緒に過ごしていく国だ」
この五年間は本当に色々な出来事に巻き込まれ、左之助さんも酷い怪我を負うこともあった。特に蒙古は凄かった、蒙古の古式相撲「ブフ」の使い手、アレはもう人間の枠組みにギリギリ収まっている人だった。
そんな過酷ながらも家族三人での旅は楽しく過ごせた良い日々だったけれど。この船旅だけは好きになれそうにありません。それでも母として、子供と夫の前で粗相をするわけにはいかない。
「景、おぶさるか」
「んっ!」
「しとりが抱っこして欲しいみたいですよ?」
「二人まとめて行けるぞ?」
しとりを頭の後ろに乗せ、私を横抱きに、お姫様抱っこした左之助さんは掛け橋が置かれると同時に持って歩き出す。私を下ろしてくれれば手伝えるのに。
「おーっ」
「しとり、肩車の時はぁ?」
「ギューッ!」
「イデデッ…!」
私の合図に合わせて、しとりは左之助さんの頭にしがみ付き、ピッタリと身体をくっ付けて落ちないように足を交差させる。子供の力だから大丈夫だろうとは思うけど、ふつうに首が絞まってるわね。
「しかし、横浜か。東京にまだ居るといいな」
「みんな、神谷道場にいるとは思いますけど。左之助さん、アレは左之助さんの知り合いですか?」
「あ?」
私の指差す方に左之助さんとしとりは視線を向けると「相楽一家、お待ちしておりました」という横断幕を掲げる集団が堂々と立っているのだ。
そして、その中心に立つ人物に苦笑いする。
「おお、般若じゃねえか!」
まさかの帰国後、一番の再会は御庭番衆でした。
投稿作品も増えたため「もしも「るろ剣」の世界に糸色景がいたらのスレ」の投稿数を少しだけ減らします。