藪連田蔓茨を倒して、本戦第一仕合を勝利した石動雷十太は核鉄と止血剤、軟膏、麻酔と縫い針を使っての治療を今は治癒力を高めて安静の状態を維持し、回復に努めています。
「先生、お疲れ様です!」
「由太郎、見ていたか!」
「はい!」
塚山君の言葉に威圧感の綻ぶ石動雷十太に観客はビックリしているものの。二人の流儀は同じく「真古流」ということで関係は直ぐに広まる。
「第二仕合まで時間はありますし。治療を受けながら何か食べますか?」
「ムッ。そういうことならば」
いそいそと移動する石動雷十太と塚山君の二人に苦笑を浮かべつつ、しとりと剣路君もお昼ご飯の話しになり、暫しの昼食タイムに入りました。
「景、第二仕合は誰と誰だ?」
「明神君と大文字さんです」
「……だれだ?」
「格闘茶道、大文字流の家元です」
「本気で分からねえんだが!?」
お母様もよく相手していた流儀です。
格闘茶道は和の心を体現し、座して相手の事を制する流儀。柔術の居捕り。又は御式内の様に室内戦闘を想定して、組み上げた茶道です。
「対武具に於ける達人ですね」
「剣士の弥彦にとっちゃ天敵ってわけか」
「センセの天敵なのー?」
「さて、どうでしょうね。神谷流にも柔は存在していますし、明神君も素手の戦いは心得ています。なにより彼は負けず嫌いですからね」
「景の姉ちゃんも負けず嫌いだろ」
そう言われると否定は難しいですけど。
「譲れないと思う気持ちはありますよ」
「ん!弥彦センセに勝つのはわたし!」
「おお、言うじゃねえか。明日郎や剣路に負けても泣くんじゃないぞ、しとり?」
「わたしは強いから負けない!」
明神君の言葉にフンスと胸を張って答えるしとりの頭を少し背伸びするように手を伸ばし、彼女の頭を優しく撫でてあげます。
私に出来るのは応援だけです。
「糸色殿、拙者だけ外様にいるのでござるが」
「シード枠……強さ的に準々決勝以降に参戦してもらうつもりです。四乃森さんや石動さん、凍座さん、明神君もみんな貴方との仕合を希望していますから」
「おろぉ…」
私怨はありませんよ?
ちょっとだけ悩まされたり怪しまれる私の気持ちを理解して欲しいとは思いますけど。ですが、あまり効果はなかったようですね。
「ちなみに優勝賞品は金一封*1です」
「じゅっ……額に困るでござるよ」
明治時代の金銭的に考えると大体、20億程度です。
私の貯金の一割にも満たないので大丈夫だと思います。此方は会社のお金や銀行のお金ではなく、あくまで私個人の資金ということになります。