「ドクトル、今の私は『物語を繋げる能力』を向こう側の私と共有している状態ですけど。本当は他にも世界線はあるんでしょう?」
意を決してそう問いかける。
日曜の朝にやっていた「ヒーロー」達の世界だけでは語りきれない部分も増え、この『物語を繋げる能力』の本質も共有することで見えて来ました。
だからこそ、問いたい。
「ふむ、問題にもよるが。君の言っている事は的を射ているのは事実だろう。しかし、私に出来ることは少ない。更に言うと世界線は確かに増えている」
「……そうなると最初に浮かぶのは『メタルヒーロー』や『等身大ヒーロー』などですが、『サイボーグ009』や『変身忍者嵐』もあるわけで…」
「『キカイダー』はどうかね?」
「昭和は本当に激動の時代になりそうですね」
そう言うとドクトル・バタフライは同意するように頷き、チラリとチャフを束ねた板を見る。たまに、そうしていますけど。
一体、なにを?と首を傾げる。
「ふむ、向こうは進んでいるようだね」
「進んでいる?」
時系列の話でしょうか?
いえ、ドクトル・バタフライはそんなことを口走るとは思えませんし。もっと別の意図があるのかと考え始めてしまう。
考えれば考えるほどに余計な出来事も思い出してしまいます、抑圧・制御の術式を数分解いただけでこんなに辟易するのはちょっとだけ辛いです。
「……ドクトル、ゴジラやモスラを作ろうと考えたりしていませんよね?」
「HAHAHAHAHA!!!!作れるわけ……いや、核を作ることは出来るが、重要な生体サンプルは無い。深海魚や恐竜の遺伝子を組み込み、熱線を放つ体内機構の構築は体熱を利用して行えば……」
「ダメですよ?私、娘達をゴジラの巫女にするつもりは無いですからね?自分で後始末出来ないものは作っちゃダメですからね?」
「残念だが、私だけでは無理だね。ガイガンやメカゴジラあたりなら作れるのだが」
「……ウルトラマンの世界線の私、ドクトルのせいで亡くなった可能性が出てきましたね」
「私はパンドンとかゼットンしか知らないが?」
「ラスボス級の怪獣ですね。ゼットンは宇宙恐竜ですけど、そちらも今度書きまとめておきます」
「宜しく頼むよ」
私の言葉に微笑むドクトル・バタフライに「やっぱり、私より黒幕では?」と呟くと「私は君のように瞬時に人の秘密を暴いたりできないよ」と言われた。
そんなことしたことありませんけど?と困惑気味にドクトル・バタフライを見上げてしまう。いったい、だれと間違えているんですか?