第三仕合は四乃森蒼紫と戌亥番神です。
「アイツ、まだ諦めてねえのか」
「彼だけ優勝より左之助さんとの再戦を求めていますし。あとで戦ってあげてもいいのでは?」
「しつこいヤツだぜ」
そう不満そうに言っている左之助さんの口許は緩み、いつでも準備は出来ているようですけど。以前のように前腕を覆う手甲は嵌めておらず、迷彩柄のオーバーオールと軍用の長革靴を履いている。
闘技場は四方に格子状の囲いを用意した。
一見すれば「鳥籠」の様にも見える立体的な闘技場です。闘技場の上にもう一つの闘技場を用意しており、飛んで移動し、三次元的な動きを行える場所です。
御庭番衆の四乃森蒼紫と総合格闘術の戌亥番神のどちらも自由に動ける形状です。観客席からも見易くするために格子は大人二人が一緒に抜けることが出来る程に広く、外部に出て動くことも出来る。
「青龍の方角。かつて江戸幕府に仕えた最強の隠密集団、御庭番衆が今その闇に隠された衣を取り払う!仕えるべき主人は代われど最強の名は消えず!御庭番衆頭領、四乃森蒼紫!ちなみに私の旦那様よ!!」
「
呼ばれてますよ、緋村剣心。
チラリと選手の控え席に座っている緋村剣心は苦笑いを浮かべ、どえしたものかと消えかけている左頬の十字傷を撫でています。
左之助さんは「オレとの再戦もまだだろうが、景を拐ったこと覚えてるからな」と小声で言っているのが聞こえてしまい、申し訳なくなります。
「白虎の方角。闇に生き、武を窮める集団がいた。その強さは比類なく!その速さもまた比類なく!打つ、投げ、極める、三種の全てを備え、受け継ぎし流儀の名は術式無敵流!闇乃武総帥、戌亥番神!」
「ハッハァーーッ!!滅殺だァ!!」
両腕を突き上げ、高らかに吼える。
戌亥番神の登場に旭さんは引き釣った顔になっているけれど。此方でもう対処しているので、貴女を拐いに来る闇乃武はもう居ません。
安心して下さい。
お互いに顔を会わせるのは、初めて。
ですが、御庭番衆と闇乃武の歴史は永く私も書物を読んで知った限りでも幾度か抗争しているようです。ただ、明治以降は目立った抗争は愚か緋村抜刀斎に敗れ、闇乃武は低迷していた。
その現状を立て直した人物こそ、かつては六人の同志として緋村剣心を襲い、左之助さんと戦った戌亥番神なのですが、そのときの私は孤島でした。
「貴様の事は知っているぞ。闇乃武」
「俺も知ってるぜ、御庭番衆ゥ…!」
睨み合う二人の熱気に会場のボルテージは上がり、しとりも四乃森蒼紫の御庭番式小太刀二刀流を見れると、楽しみにしています。