左之助さんの身体が傾き、グラグラと揺れるも直ぐに止まって首を擦り始める。効いているわけではありませんが、初めての攻撃にビックリしています。
「别太小看我了、老头子」
「
ゴキゴキと首の感覚を確かめる左之助さんに対して、追撃の打突を放った呂布奉先の直突きは頭突きによって弾け、発勁を打つ暇を与えず、左之助さんの振るった拳が力任せに巨体を薙ぎ倒す。
相手の得意技を受けて破壊した左之助さんに観客席はざわめき、興奮する雄叫びに耳を押さえるも左之助さんの事を応援する声援が響くばかりです。
圧倒的な強さを発揮する相手を日本人は尊敬します。なにより日本には、不敗信仰というものもあります。けれど、左之助さんは不敗ではありません。
緋村剣心、四乃森蒼紫、斎藤一、この三人に負けて尚も歩みを止めない左之助さんは二度目の戦いで緋村剣心を倒し、残り二人を残している。
不破信二は違います。
アレは人間ではなく、修羅です。
アレは人知を越えた何かです。
「オラ、立てよ」
「老头子!!」
「大陸の言葉は分かるが、下品すぎるぜ」
発勁を使えず、まともに打ち合えば負ける。ジリ貧ということに気づいた呂布奉先は白虎の門に置いていた巨大な槍を抜き、左之助さんに迫る。
───けれど。蛮竜は砕けません。
刀身の練りが違う。
蛮竜の数千万回と積み重ねた刀身の層を貫けるほど強靭な武器は存在はしているものの、この大会で巡り合えることはありませんね。
縦拳の連打を打つ。片手の突きに対し、左之助さんは拳に拳をぶつけるように右腕を振り抜き、力任せに理合いの消力を粉砕した。
圧倒的な暴力の強さですね。
「……拙者、あの拳を受けたのでござるか」
「阿呆が。俺も受けている」
「俺は斬馬刀の時だったがな」
三人三様の言葉を呟き、左之助さんの強さに戦慄しているようにも見えます。いえ、そうなるのも仕方ないです、左之助さんは強くなりすぎました。
北海道のとき、分身とは言えど白面の者の突進を受け止める膂力。パワーだけで言えば世界で一番の強さを誇っている。
他も世界で一番ですけどねっ。
裂帛の気迫を押し返して、二重の極みを撃つ。
圧倒的すぎて、観客席も止まっています。喧嘩屋としての左之助さんを知っている昔ながらの知人も三十代を超えて尚も衰えない左之助さんに目を輝かせる。
強すぎて、言葉も出ないのでしょうね。
「最初の一撃は良かったぜ、坊主」
呂布奉先が沈んだ。