「景さん、首飾りなんて珍しいわね」
「…………外せないんです」
「え?」
「自分じゃ外せなくて、着けた人の命令に絶対に逆らえないんです」
言霊の念珠をどうやって時代樹様がこのように変えたのかは知りませんが、何と言えば良いのでしょうか。お風呂の時も身につけているんですよね。
私の言葉にドン引きする薫さんに言霊の念珠を外して貰えることになり、邪魔にならないように眼鏡も外して目を瞑ります。
「外すわね」
「まだ外すなよ」
「黙れ、助平親父」
「あぁ?弥彦も貰ったら使うだろ!?」
「使う分けねえだろ。巻き込むな」
ようやく外してもらえた言霊の念珠に、ほうっと安堵の吐息をこぼしながら、眼鏡を掛けると頬を赤らめた薫さんが目の前に居ました。
「どうかしましたか?」
「いや、顔が綺麗すぎて、胸が爆発しそうで」
「は、はあ…薫さんは綺麗ですよ?」
「分かるでござる」
「確かに美人ではある」
「ちょ、ちょっと!?」
こういうのは、いいですよね。
しかし、こうしている間も相手は行動を起こしていると考えると不安になります。私は戦えないですし、逃げるのも遅くて人畜無害の頂点です。
「(人畜無害の頂点とは……)」
自分の言葉に悩みつつ、言霊の念珠を取り合っている男の人達を避けて、私達は壁の近くに座り、男の人のちょっと過激な褥の考えに不安を抱く。
剣路君、緋村剣心や左之助さんみたいになりませんよね。さすがに、そうなってしまったらしとりと夫婦になるのは時間を……。
いえ、そうなると私の時間がですね。
「蒼紫様も縄は使うわよ」
その一言に、シンとなりました。
「……なんだ」
「いや、縛るのも良いよな」
「そうか」
「拙者、どうしたらいいのか分からんでござる」
「おれもだわ、変態しかいねえ」
それは、そうですね。
一番、被害を受けているのは誰だろうと頭の中で整理するも見えるのは私だけです。おかしいです、まるで私が被害者のような姿ですっ。
「まあ、冗談はさておき。問題は自動人形の奴らが来ていたのを才賀の爺さん達が見ていたことだ。おまけに、知らねえ銀髪のガキもいた」
「おろ?あれは白髪では」
「銀だよ。雪代みてえなのは、いなかったろ」
「縁も大陸にいるのでござろうか」
「さあな。少なくとも剣心が心配しなくてもアイツは強いだろう。もしかしたら、夫婦になってるかもしれねえじゃねえか」
向こう側の雪代縁は女傑族と一緒にいるとドクトル・バタフライに聞いています。なんでも、大家族だそうです。幸せなら、それでいいんです。