呼吸困難を引き起こす奇病「ゾナハ病」の特効薬を作る技術的革新は起こっておらず、私の血液や唾液を使ってドクトル・バタフライは作ろうとしています。
不破と陸奥はシバリングで治す。もうあの一族は異種格闘技の「物語」ではなく、修羅なので何でも出来るという免罪符を一族単位で使える。
もはや、人ではありませんね。
「ねーさま、だっこしてー?」
「ん!いーいーよー!」
「んきゃー!」
グルグルとハグし合った姉妹はグルグルと回転し、天日干ししていた布団に倒れ込み、ポカポカとした布団に包まれて、姉妹は眠り始めています。
フフ、かわいいです、ソーキュートですね。
「…良い子たちです」
よしよしと眠ってしまった二人の頭を撫でてあげ、左之助さんが仕合の事を話し合って、やっぱり再開することになったようです。
「金の亡者だな、ありゃあ」
「文明開化の時代は過ぎて、今はもう成り上がるために試金石を集めようとしているんです。琉球空手の道場も大会に出場していましたし」
「一門の旗揚げに来てたわけか」
「えぇ、そうです。ただ、戌亥さんに負けて矜持を打ち砕かれてしまったようですが……そう言えば斎藤さんの話していた宇水という人も観客席に居ましたよ」
「生きてたのか!?」
ああ、やっぱり、そういう感じになっていたんですね。けど、死んでいないのなら安心しました、それに近くに生徒らしい人もいましたからね。
左之助さんは、悠久山和尚でしたね。
「十本刀で亡くなったのは、ふたりだけでしたよね。そちらの方々は?」
「どっちも強いヤツだった。一人は女だったが、本気で志々雄真実のために動ける女だ」
それは、すごく羨ましいです。私は恐怖に負けて、動けなくなりますし。なにより、守ってもらってばかりの、どうしようもない女です。
「景もオレのために頑張ってくれる、良い女だ」
「……左之助さん、甘言を囁いて貰えるのは嬉しいですけど。言霊の念珠や麻縄がなければ、私はもっと嬉しく思えるんです」
「ダメか?」
ダメか?と聞かれても困ります。
「んッ…首を触るのはダメです」
「着けるだけだ。な?」
「最近の左之助さんは親父臭い……というやつだと思います。ちょっと破廉恥すぎると言いますか、そういうのはダメだと思います。やめましょう、ね?」
「断る。オレはオレだからな」
そういうところですよ、もうっ。
「ダメなら押し切るぞ。どうせ、最後は甘えるんだから、最初から甘えとけ」
「ん、わたしも甘えたい」
「おはよう、しとり」
タイミングよく起きてくれましたね。
さすがは、しとりです。