八宝斎の無差別格闘流に、果たして伊差川君は勝てるのでしょうかとも考えてしまう。
完全にトリッキーな流派ですし、攻撃もあの小さな身体から繰り出されるわけですし、本当に攻撃しているのかも分かりません。
つまり、加減が出来ないんです。
強すぎるからではなく、分からないからです。伊差川君も強いですし、問題なく戦えるのでしょうが、強さの基準がおかしくなっているんです。
「景は考えごとすると無防備だな。ここからだと尻の形が見えてるぞ」
「っ、見ないで下さい」
年々助平さが増しています。
「景、オレの仕合はいつだ?」
「怪我の度合いを考えるに三試合目か四試合目にしようかと思っています。けど、まだ仕合は残っているのでまだわかりませんよ?」
「そうか。剣心と当てるのか?」
「いえ、みなさんにくじを引いて貰います。一番、納得できますし、分かりやすく勝ち抜きが成立するのはこれですね」
「……剣心と当てる可能性もあるわけか」
「六人ですからね」
そう言って私の真横に移動し、頭をお膝の上に乗せてきた左之助さんの頭を優しく撫でてあげる。あと、何回こうして撫でることが出来るのでしょうか。
ちゃんと、火葬してくれますか?
「(きっと、してくれませんね)」
そんなことを考えていると、しとりを追いかける魑魅魍魎がさらに増えていて、その魑魅魍魎を追いかけるひとえが見え、二人を止めようとする個魔の方が投網に巻き込まれて、捕まりました。
いったい、何をしているのでしょうね。
「母者、助けてくれー」
それは、ちょっと無理ですね。
あんなに多くの魑魅魍魎いるところに行ったら、きっと私はボロボロになりますし。下手したら死んでしまうかも知れません。
なにより偽物には近付きません。
「しとりとひとえも変なのに絡まれても逃げることはないからな。そこだけは心配だ」
「左之助さん、どうせ勝つと思っていますね」
「そりゃあそうだろう。しとりの強さはもうオレを超えている。経験が足りなくて、目に頼りすぎっていうのもあるけどな」
そう言いきる左之助さんの言葉は正しく、しとりは「見て」から動いています。左之助さんや緋村剣心は予測し、相手の攻撃を避け、攻撃する。
今のしとりやひとえには難しいけれど。
二人とも強くて良い子なので、すぐに使えるようになると私は考えています。いえ、そうでなけらればおかしいところもあるんです。
「ん!ん!んーーーー!!!!」
「しとり、面倒臭くなったんだな」
「妖怪刀背打ちで斬ってますねえ」
流石は、しとりです。