「青龍の方角。琉球より参事たる宝剣宝玉の輝きは王を護る矛!黄金の甲羅は万物を砕く盾!眼力琉球武術、伊差川糸魚!!」
「宇水さんの名誉は俺が取り戻す!」
黄金の宝剣宝玉と黄金の甲羅を構えた伊差川君の武具に目の色を変える観客もいますけど。すでに八仕合も見ている人は絶対に奪えないと理解しています。
そもそも武具を奪うなど無理です。
「白虎の方角。日本諸国、海を越えて大陸を巡って極めて見出だしたのは強さも弱さも関係無い!ただ、あるがままに降るまい、戦う!無差別格闘流、八宝斎!」
「わははは!!来たぞ、ワシじゃ!」
デンと現れた八宝斎に向かって日頃の恨みのある観客席の女の子達は一斉に伊差川君の事を応援し、左之助さんも斎藤一も伊差川君を応援する。
八宝斎君、嫌われすぎでは?と思いながら、キセルを取り出して構える彼に「あ、私がお父様に贈ったキセルですね」と言ったら、ボコボコにされていた
返ってきた蜻蛉切を受け取ります。
キセルの代わりに小枝が渡されました。
御用改めのごとく調べられる闘技者は八宝斎だけですね。そんんなことを考えながら、私はキセルを触るひとえに「たばこを吸うものですから」と伝えて、斎藤一に預かってもらいます。
「いざ、尋常に───始めェ!!」
操さんの合図で飛び出した八宝斎は手裏剣を投げつけ、伊差川君の足を止め、小枝を捨てて扇子を取り出し、トントンと自分の肩を打つ。
「小技か」
「なんじゃい、派手なのが良いのか?」
トンと跳ねた八宝斎の扇子が開き、宝玉の一撃を優しく受け止め、勢いを巻き込み、伊差川君の事を地面に叩きつけ、血を吐かせる。
「があっ!?」
「ぬはははっ、どうしたどうした」
「ありゃあ、柔か?」
「煙管投げ。相手の重心移動を崩し、投げる技法です。扇子で行っているので、扇子投げになりますけど。……いえ、解説したらダメですね」
「あとで聞かせてくれ」
左之助さんの言葉にうなずきつつ、宝剣宝玉のティンベーを振るって攻める伊差川君の攻撃は悉く潰され、歯痒さに顔を歪めてしまう。
荒々しく攻めていく。
しかし、伊差川君の攻撃は届かず、黄金玄武を突き出して視界を遮って攻撃を繰り出す。ですが、八宝斎の放った炮烙火矢で伊差川君の身体は後ろにふきとばされた。
「ぐっ、おのれぇ」
「まだ立つのか。良かろう!」
ようやく八宝斎が構えました。
伊差川君も侮りも驕りも消し、真剣な表情を浮かべて、お互いに間合いを見きり、攻めるタイミングを見計らっています。