左之助さんによって監禁状態に近く、寂しく不安な三日間でしたけど。
しとりとひとえのおかげで無事に座敷牢を出ることの出来た私は左之助さんに一言二言ほど言葉を伝えるつもりでした。
ですが、問題なく最後まで大会を指揮していたのはのは左之助さんであり、私は舞台装置として会場と闘技場の準備を済ませていただけです。
「景、機嫌直せって、なあ?」
「やです」
「閉じ込めたのはやりすぎだって反省しているからよ。そろそろ部屋を」
「あと一週間はしとりとひとえと寝ます」
「……しとり、ひとえ」
「「だめー」」
「ぐっ、むぐ」
怒ろうにも私を閉じ込めたのは事実ですから叱ることは出来ず、左之助さんはちょっとだけ不貞腐れたようにご飯を食べています。
不満そうですけど。
あの行為は許せないので、あと一週間ほど我慢してもらえると助かります。いえ、助かりますじゃないですね。ちゃんと反省してくださいね。
そうじゃないと私も寂しいです。
「ん、父様は悪いことしたから反省してね」
「そーだよ!とーさま、反省するんだよ!」
「ぐっ、ぬうぅぅぅ……」
「あ、あはは、怒られちゃいましたね」
左之助さんの湯呑みにお茶を注ぎつつ、そう言って笑ってしまうと「ん、やっと笑った」と、にんまりと笑ったしとりが頬っぺたをくっ付けてきました。
突然の柔らかな頬っぺたにお母さんはドキドキしています。しとりのやることを考えると、普段の剣路君も受けているんですよね。
そりゃあ、好きになっちゃうわけです。
「ねーさま、にーさまにもしてたやつ!」
「ん、けんちゃん面白い。こうすると顔を真っ赤にしたり、鼻血を出したりするの」
「……もうちょっと顔の良さを自覚しろよ」
「? わたしはかわいい!」
フンスと胸を張るしとりに左之助さんは「無自覚なのか自覚しているのか全く分からねえな」と言い、しとりとひとえの事を見つめています。
無自覚なのは私のせいではありませんよ。
むしろ、しとりもひとえも自分の可愛さを十分に理解していますし。
しかし、しとりもひとえも自分が可愛すぎるということを全く理解していません。この子達の可愛さは見ただけで相手をメロメロにしてしまうのに、当の本人達は当たり前のように空間を押してきます。
「ん、母様はキレイ」
「あい!」
「そう、でしょうか。ガリガリですし、二人みたいに健康的ではないんですけど」
「そこが良いとも言えるな」
それは、左之助さんの趣味では?と思いながらも左之助さんの差し出す手を受け、頬が撫でられる。いったい、どういうつもりなんでしょうね。