しとりとひとえもくじ引きをしたいというので、今晩の夕食のハンバーグの中身を決めることにしました。アタリを引いたら、チーズ入りのハンバーグです。
負けてもハンバーグですが、チーズ入りではありません。きっと半分こにするので、あまり意味はないように思えてしまいますけど。
これもまた成長に繋がるはずです。
しかし、しとりもひとえもアタリを探して箱の中を弄っています。箱の中にあるアタリは二つ。ハズレは八枚ですが、二人とも強運なのでアタリそうです。
「ん!」
「あい!」
二人の引いたくじは見事にアタリでした。
「景、全部あたりか?」
「いいえ、十枚の内のアタリは二枚です」
「……オレも引いていいか?」
しとりとひとえはアタリをもう引いたので満足して笑い、左之助さんがアタリを二枚とも箱に戻して、箱を軽く振ってかき混ぜて。
くじを引きます。
ハズレですね。
「……もっかいだ」
そう言うと左之助さんは、また箱に手を入れてくじを引きます。しかし、出て来たのはハズレと掛かれた短冊形のくじだけです。
残り八枚です。
しかし、引けるのはハズレばかりです。
八枚目まで引いてもハズレでしたが、九枚目と十枚目でようやくアタリを引けました。しかし、左之助さんはくじ運がないんでしょうか。
「なんでだ?」
「二人とも運勢な最高値なんでしょうね」
「オレは最低値なのか」
そうとも限りませんよ。
私は色々と考えて、左之助さんは博奕でよく負けているのでもうやめるべきでは?と思ったりもしたわけです。実際に左之助さんは花札も弱いですし。
「左之助さん、博奕はもうやめましょう?」
「オレが止めるときは剣心も止めるときだ」
カッコいい風に言ってますけど。自分だけ博奕を止めるのは不服だから道連れにしようとしているだけですよね。神谷家も安泰です。
左之助さんは、とても悪い人です。
「そういう景はどうなんだ?」
「私は可もなく不可もなしです」
アタリの二枚を同時に引きます。
運勢ではなく、ただの記憶ですけど。
覚えているところをなぞり、そのまま手に取っているだけですし。たぶん、スロットマシーンだったら、ずっと目押しする事は出来ますね。
そんなことしませんけど。
「しとりもひとえも運が良いからと油断してはいけませんよ?怪我をしたらとても痛いですし、怖いですからね」
「ん、わかった」
「あーい」
二人とも返事は良いんですけど。
自分の気持ちを優先しやすい時期なので、今は見守ることに専念していたいという気持ちもあります。