数千回と刃を交わす。
太刀筋は鍔迫り合いを逐う毎に強さを増し、小太刀の二刀流の放つ火花を纏い、シンケンマルの秘伝ディスクは旋回し、火炎を纏って四乃森蒼紫の身体を焼き、袈裟に切り裂く。
しかし、四乃森蒼紫の剣速もまた加速的に成長し、極まっていた体術と剣術は余分な動きを除外・修正を繰り返し、志葉様の身体に斜め十字の刀傷を刻む。
強すぎる故に成長の止まっていた人間は、同等あるいは自分より強い相手に遭遇した場合、起こり得るのは急激な成長です。
「一筆奏上!」
ショドウフォンを抜き、「火」を描く。
「稲妻変化」
イナズマチェンジャーを舞し、「電」を纏う。
二人の変化に観客席はどよめき、侍戦隊シンケンジャーのシンケンレッドと、超忍者隊イナズマの雷電が向かい合う姿に年甲斐もなくワクワクしてしまいます。
「火炎の舞い!」
「稲妻一掃!」*1
火炎と電光の衝突に悲鳴よりも興奮する声が溢れ、視察に来ていた外国の方々や錬金術師は顔色を悪くしながら、凄まじい顔で見ています。
私は無関係……ではありませんね。
「流石は御庭番衆の頭領だな!」
「志葉家の武勇はよく聞いている」
お互いを称賛し、剣を交える。
男の人のそういうところは、ちょっと分かりにくいですけど。友情を育んでいるということでいいのでしょうか?と首を傾げながら、二人の激闘を見る。
「ん、二人とも強いね」
「しとりよりですか?」
「んー、わたしのほうがもう強い」
にっこりと笑って言い切ってしまえるしとりの胆力は本当に羨ましくて、とても素晴らしい長所です。ただ、二人が一瞬だけ此方を見ましたよ。
それは、いいんですか?と聞きたくなります。
ですが、それだけはしません。危険ですし、しとりが大きな怪我をしてしまうかもしれません。そうなったら、お母さんは卒倒してしまいます。
冗談ではなく、断言します。
私は必ず卒倒してしまうでしょうし。しとりとひとえに何かあったらオバケにもなるでしょうね。
剣劇の応酬は止まらず、加速する。
手数は四乃森蒼紫のほうが多いのに、志葉様の防御を抜けることは出来ず、攻撃の間合いを掴めず、攻防は苛烈さを増して増やして雷火が弾けて、迸る。
閃光が走る。電光が裂く。烈火が駆ける。
火炎と雷電が混ざり合って迸り、砕け、お互いの手を潰して手番を奪い合い、圧倒的な強さで切って崩して、粉々に燃やして焦がす。
「景、初戦でこれか?」
「……そうですね」