電光石火の激闘の終幕は近いです。
変身していたのは十数分にも満ちませんが、強烈な斬撃を受けていた志葉様と四乃森蒼紫の変身は強制解除に追い込まれ、血を流した二人が現れました。
「火炎の舞い…!」
「回天剣舞…!」
二つの竜巻が衝突し、膝をついたのは志葉様だった。彼の胸元には二列の刀傷が刻まれ、回天剣舞を三合目で止めた事を意味します。
───けれど。
先に倒れたのは志葉様であり、四乃森蒼紫も血を流しているものの、志葉様ほど怪我は負っておらず、ゆっくりと小太刀を鞘に納めました。
「しょ、勝者は、四乃森蒼紫!」
その言葉に応えるように観客席にいた御庭番衆の方々は万雷の拍手を贈り、志葉様も満足そうに笑って四乃森蒼紫に手を借りて、立ち上がる。
「いやー、参った参った。まさか負けるとは思わなかったが、お前と戦えたのは僥倖だった。感謝するぞ、四乃森蒼紫」
「此方も全力を尽くせた感謝する」
そう言うと改めて握手を交わす二人に鏡越しに見ていたドウコクの殺気を感じ、私は半泣きになりながら近くに座っていたひとえを抱き締めます。
あんなに恐ろしい殺気を出さないでください。
私はか弱いので死んでしまいます。
これは比喩ではなく本当に殺気だけで死にそうになるので、本当に怖いんです。うぅ、私が殺されない理由って「恐怖心」を利用されていますか?
「フン。志葉の野郎が負けたところを見れただけだ。オイ、糸色。次にやるときは俺も出させろ」
「そ、それはしとりかひとえに相談して貰えると助かります。四年後に居るのかは分からないので」
血祭ドウコクの言葉に、そう言葉を返しながらものすごく滾っているしとりは早く仕合をしたいという気持ちで溢れています。
左之助さんもギラギラと目を光らせ、いつでも戦えるように準備していますし。これは、どうなってしまうのでしょうかと悩んだりもします。
「糸色、次の仕合まで例の場所に俺は籠る」
例の場所というのは核鉄だらけの部屋です。
百個しか存在しない核鉄。
ドクトル・バタフライが気づいたら、七十五個ほど集めて帰ってきたので、向こうの錬金術師も下手に攻撃して対抗手段を失えない状況なのです。
だというのに、誘拐や勧誘は止まらず、しとりもひとえもよく錬金術師に絡まれているようですが、すぐにしとりが倒しているので問題ありません。
当人も「ん、ざこ!」と言っていましたし。
しとりが強すぎるというのもあるんですが、未来の錬金戦団はどうなってしまうのでしょうか?