八宝斎を倒して、本日の仕合は終わりです。
しかし、しとりに向く闘技者の視線は子供を見る目ではなく強敵を見るものに変わり、左之助さんも戦うときは大変そうだと呟いています。
少しの疑問になりますけど。左之助さんはしとりを殴ることは出来るのでしょうかと考える。しとりもひとえも大事に大事に優しく愛してくれる。
強くて優しいお父さんです。
その左之助さんがしとりと攻撃を交わし合えるのかが分かりません。いえ、そもそも左之助さんはしとりと本気で戦えるのでしょうか。
「ん?どうかしたのか」
「いえ、明日は緋村さんの仕合ですけど。彼は逆刃刀を握るのか考えていました」
「……握らねえだろうな。雷十太もその事を理解しているだろう。やるのは本気だが、殺し合いじゃなくて、最強の証明に繋がる仕合だ」
そう言って左之助さんは汗を搔き、今にも倒れそうな私を抱き上げて笑う。申し訳なく思いながら、抱っこしてもらう。
ひとえはしとりにお姫様抱っこして貰い、嬉しそうに笑っているのが見えました。やっぱり、ひとえはしとりのことが大好きなんですね。
「ん、ひーちゃん軽すぎる」
「そーおー?」
不思議そうに自分の身体を触っているひとえに人目があるのでやめるように言いつつ、石動雷十太と緋村剣心の仕合の行く末を想像します。
ですが、まったく思い浮かびません。
緋村剣心も石動雷十太も原作より数倍は強くなっていますし。なので、私の想像なんて頼りになるのかも分からないことばかりです。
「ん、ひーちゃんも眠いの?」
「まだ、へーきぃ」
うつらうつらと眠り始めるひとえの可愛さに私はにっこりとわらってしまいます。やっぱり、私の愛娘達はとても可愛いです、ソーキュートです。
「左之助さん、家の方向が違いますよ?」
「そういう日もある」
どういう日ですか?と首を傾げながら、そう話しかけると「そういう日はそういう日だ」と言われるだけで、答えは帰ってきませんでした。
「ん、母様も大会に出よう」
「出ても直ぐに負けそうですね。お絵描き大会なら優勝できると思うんですけど」
そんなことを話していると「景は毎晩仕合してるもんな」と
とんでもないことを口走る左之助さんの口を手を押し当てて、左之助さんを見ると楽しそうに笑っているのが見えました。
「左之助さん、それは悪い言葉です」
「まあ、待て。そろそろしとりとひとえにもそういうことをだな」
「私が教えますから、左之助さんは来ちゃダメです。女の子はデリケートなんです」