某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

1504 / 1505
明日、また 序

左之助さんと剣路君の仕合が予想よりも長く続いてしまったため、二日目の仕合は終了しました。シルベストリと明神君の仕合は後日です。

 

そして、柏崎さんは勝った五人の名前をくじ引きして選び、その人と仕合をします。一人だけ多く戦えるので愉しそうにしているのは、しとりだけですね。

 

「左之助さん、お疲れ様です」

 

「ああ、最後のは効いた」

 

身体に走った袈裟斬り状の打撲傷に目を細めて、痛ましく思いながらも「左之助さん、最後は受けに行きましたよね」と言えば「そりゃあ、そうだろう」と左之助さんは笑って返してくれました。

 

「イデデッ!?」

 

「す、すみません!?」

 

慌てて軟膏を塗る手を離して、後ろに退くと左之助さんは「あ、あのクソガキぃ…!」とものすごく怒った顔で傷を押さえています。

 

けど、夫婦になるのは許したじゃないですか。

 

「あとはしとりに勝てるかなんだが……アイツ、剣心より才能あるか?」

 

「......しとりの強さに限界はないので分かりませんが、少なくとも剣路君は追い付くのは、今ですね。しとりはまだ完成形に近付いていませんし」

 

おそらく、あと数年後には完成します。

 

鑢七実と同じく「最強」になるのは確定していますし。負ける姿は想像できませんが、安居院さんも剣路君もひとえも心弥君もいるのでしとりは独りになることはありません。

 

────在るとすれば、相手がいなくなるとき。

 

しとりに勝つ存在は必要です。

 

今のしとりは「最強に近しい準最強」であり、その先に届いてしまうと。もう誰もあの子に追い付けなくなってしまう。

 

「ん、わたしの話してた?」

 

「えぇ、してました」

 

「......やっぱり、父ちゃんはしとりとアイツを夫婦にしたくねえなあ」

 

「んー、ジョリジョリするぅ」

 

ひとえはもう眠ってしまったのか。

 

居間に戻ってきたしとりに頬擦りする左之助さんを、しとりは笑って受け入れる。しかし、剣路君の事を追求したりはしない。

 

「剣路君はしとりに勝てますか?」

 

「んーん、勝てないよ。でも好き」

 

「ぐっ」

 

悔しそうに胸を押さえる左之助さん。愛娘に彼氏が出来たお父さん……いえ、旦那様が出来ようとしているわけですけれど。

 

ものすごく葛藤していますね。

 

やっぱり、左之助さんは子煩悩です。それもとてもとてもとてもとても素敵な子煩悩です。私はこういう旦那様に出会えて嬉しいです。

 

しかし、認めたのにまだ諦めきれないところはどうかと思います。せめて、許したのならしとりと剣路君のふたりを暖かく見守ってあげましょう。

 

 

 

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