急遽、姿お兄様の参戦です。
「良いのか。あれ」
「姿お兄様ですし、私にまた何かを持ってきたということもあります。出来れば安全な代物だと嬉しいんですけれど」
チラリと二十人いる参加者をお箸で倒していく姿お兄様にワクワクするしとりと、しとりの事を頬を染めて見つめる男の子達にも視線が向かう。
左之助さん、ステイです。
アレは鎌足お義姉様の息子さんと、姿お兄様の息子さんです。鎌足お義姉様が双子を産んだら、更に姿お兄様も双子を産んだというすごい確率に戸惑います。
いえ、それ以前ですね。
「景は、どうするんだ?」
「どうする……そう、ですね。ここは鎌足お義姉様にお聞きするのが一番だと思います」
「私?別に良いんじゃないかしら。親戚で夫婦になるなんて無理だもの。況してや、兄の子供が妹の娘に向けるのは恋慕じゃないわよ」
そう言って鎌足お義姉様は大鎌を構えた瞬間、ササッと現れた八宝斎が鎌足お義姉様に抱きつき、そのふくよなか胸に顔を埋め、鎌足お義姉様は大鎌ごと、何処かに八宝斎を投げ飛ばしてしまった。
「家宝なんだけど、今のは仕方ないわね」
持っていかれたことに困った顔の鎌足お義姉様にどう話しかけるべきかを考えつつ、姿お兄様の好きなように負けた方々に申し訳なくなります。
今の姿お兄様は、この世の理不尽です。
「しとり、僕は強いだろう」
「ん!わたしのほうが強い」
「……ふぅん?」
「ん、すーくん、顔が悪い」
「景に似ているけど、自信のありありとしたところは左之助にそっくりだね」
「とても良い子です」
「ん!」
私の言葉にしとりもひとえもうなずき、姿お兄様と鎌足お義姉様は楽しそうに笑っているものの。左之助さんは、やっぱり姿お兄様にも敵対心を向けています。
愛してもらえるのは、嬉しいんですけれど。
そろそろ慣れてほしいです。
「ん?ん!ん!ん!ん!」
「わ、ど、どうしたんですか!?」
「すーくんの剣!」
「お兄様の剣ですか?」
しとりの指差すほうをみて、私は苦笑いを浮かべてしまいました。聖剣です。姿お兄様なのだから、持っているのは当たり前ですよね。
いえ、本当にすごいです。
シンプルに姿お兄様は強いということは分かりますし、しとりがすごく聖剣をほしがっているのも分かります。しかし、姿お兄様が優しくても、そう容易く聖剣を手放すわけがありません。
「ん!」
「左之助さん、しとりをお願いします」
「ん?ああ」
「姿お兄様、ちょっとこちらに」
「なんだい?」
私は聖剣のことをかいつまんでお話しした。