井上君と長谷川君……今は明日郞と改名した二人は左之助さんに見守られながら東京港区まで荷物を運ぶ仲介場で元気に仕事を行っている途中、私は元気に働いているであろう彼らに届ける三人分のお弁当を抱えてしとりと一緒に街を歩く。
「ん!母ちゃん、いこ!」
「しとり?あ、走らないで!?お母さん、走るの遅いから待ってほしいな!」
トタトタと走り出したしとりを追いかけると何かの紙のようなものを持って怒る女の子と出会った。どこかで見覚えのある、可愛い顔の女の子だ。
「母ちゃん、こまってる!」
「あら、何か困り事なの?」
「あっ、えと、この子を探してて……」
気恥ずかしそうに和紙を渡してくれた人相書を見て、ようやく彼女が誰なのかを思い出した。長谷川明日郞、井上阿爛、そして最後の一人は、女の子だった。
「この子なら知っているわ。会いに行くところだから一緒に来る?えっと、貴女のお名前は」
「ほんとう!?あ、私は旭、久保田旭よ!」
そう、名前は久保田旭だ。
「で、コイツ何処にいるの?」
「今は赤坂まで運ぶ交易品の荷運びお手伝いをして貰っているけど。二人とも元気に働いてくれて助かっているわ。まあ、食費は想像以上だったけど」
「ああ、うん、御愁傷様……って、赤坂ぁ!?」
「みなとく!」
私の説明にビックリしている久保田旭を真似してビックリした顔を作っているしとりにクスクスと笑いながら歩いていると、私達は「相楽交易商」と看板を掲げた作業場に到着する。
「すごい……キラキラしてる!」
「貴金属も扱っていますからね」
日本の陶芸品や陶器は海外では人気であり、向こうにいる時に一種のステータスとして所有する人達は何人も見ているので、此方で作ったものを売っているわけです。
「左之助さん、もうお昼ですよ」
「おう。お前ら、昼だ!食いに行くなり休むなりして残りの仕事までやることやっとけ!」
「めしいぃ……」
「す、すごい過酷だけど、楽しい…!」
フラフラと私のところにやって来た二人にお弁当を渡して、左之助さんにお弁当を手渡す。久保田旭はキョロキョロと宝石や貴金属、装飾品の箱を眺めている。
「肉!うめえぇ!」
「疲れた身体に沁みるぅ…」
「まだまだ元気だな。ああ、それと阿爛は後で交易のやり方をオッサン達に教えて貰えるように話しといたぜ。明日郞はどうする?」
「ほんらうれふか、ありがとうございまふ!」
「オレは飯くれるなら何でも良いぜ」
二人とも口の中にご飯を詰め込んでいる姿に微笑ましく思いつつ、しとりに持たせていた彼女の分のお弁当を開き、木製のフォークを使って食べる可愛い姿を眺める。
「あっ、そうだったんだ!悪太郎、いい加減に御宝の場所を吐きなさい!」
「「御宝?」」
「だから御宝なんざ持ってねえって!あるのは抜けねえ刀とかオレが盾代わりにした亀の甲羅とかだ!」
その言い方を考えるに無限刃と亀甲よね、それ。