新しく相楽交易商に勤めることになった久保田旭を加えて、ようやくアの三馬鹿が揃った。そして、件の写真も経緯は違うけれど。
とうとう手に入れてしまった。
「写真でござるか?」
「おう。何か怪しい感じがしてよ、剣心と弥彦、嬢ちゃんにも伝えとこうと思ってな」
「オレを呼ぶって事はかなりか?」
「一人は知らねえオッサンだが、他にも見覚えのあるヤツがいてな。下手したら日本に来てるかも知れないヤツも混じってやがるんだ」
そう言って左之助さんが複数の写真を机に並べると緋村剣心、薫さん、明神君は写真を覗き込み、一人ずつ顔を見ていき、最後の一人で薫さんの動きが止まる。
「お父さん!?」
「だぁーーっ、やっぱりか!」
そう、この人こそが彼女のお父さんなのだ。
名前は神谷越路郞、神谷活心流の開祖。少なくとも私の記憶に残っている「北海道編」に彼はまだ登場しておらず、私が生まれ変わる前までは剣客兵器と名乗る集団と戦っている最中だった。
「お父さん、生きてた…!」
「良かったですね、薫さん」
「えぇ、本当に良かった……」
「で。残りの奴は誰だ?」
明神君が、とんとんと机を指先で突く。
「一人は
「エスピラール?おお、あの御仁でござるか!」
一瞬、忘れてましたね。
エスピラール・ロタシオンは貴方の事を恩人のように話していたんですが……まあ、五年も経てば昔の記憶も曖昧になることもありますよね。
しかし、不憫な剣士ですね。
「迎えに行こう。薫殿」
「うん!」
「私達はどうします?」
「交易は他のヤツに任せりゃ良いが、明日郞達を狙った奴らも気掛かりだ。このまま東京に置いていく訳にもいかねえからな」
左之助さんの言葉に緋村剣心も頷いている。
それに、なんで彼らが神谷越路郞の写真を持っているのか。それも気になるし、エスピラール・ロタシオンの写真も加わっていた事に何か意味があるのかもしれない。
「弥彦も来るか?」
「師範が二人も行けるかよ」
「あっ、で、でも」
「剣心は出稽古で稼いでるけど、何かと金は掛かる。それに最近は変な勧誘も増えてきてんだ。正義の味方だか錬金術師だか知らねえが、人様の都合も考えねえし」
……すみません、それは私のせいです。
「錬金術師って、此処にも来てんのかよ」
「左之の知り合いでござるか?」
「冗談じゃねえよ。手当たり次第に戦争を仕掛ける奴らと誰が知り合いに……第一、景を狙う奴らと仲良くするかよ。阿呆が」
「おろぉ……」
私の名前が出たところで緋村剣心が「やはり?」とか言いたげな顔をしたのは見逃してませんよ。