翌日の朝。寝苦しさで目を覚ますとしとりが私に抱きついて寝ていました。しとりは剣路君と寝室に帰ったはずでは?と首を傾げる。
でも、安心しました。怒っているかと思えば、こうして抱き締めてくれています。なぜか左之助さんが壁際で気絶しているのかは知りませんけど。
「んむぅ」
「おはようございます。しとり」
「..........ん、おはよ。かあさま」
「フフ、可愛いですね。剣路君はどうしたの?」
「けんちゃんね、行っておいでって私のこと。かあさまのところに連れてきてくれた」
「それはよかったです」
手櫛でしとりの髪を優しくといてあげ、身体を起こすとお腹のところにひとえが乗っていました。健康的な体温に寒くない理由も分かりました。
子供湯タンポというやつですな。
「しとり、着替えは剣路君との部屋ですよね」
「ん、母様は小さいから足首、すごくでるね」
「しとりはもう私より背も高くなりましたからね。お母さんは嬉しいです。......ところで、なんで左之助さんは壁際まで?」
「ひーちゃんが寝返るときに蹴った」
「ひとえの、そうなりますよね」
ひとえは左之助さんに似ていて、すごく強烈なキックを打てたというわけですね。
しかし、何故私の布団に?
「ん、父様は最近お酒臭い」
「トヨウケビメがいて、寝るときに警戒してしまうからですね。ごめんね、しとり」
「ん、大丈夫。私は気にしないけど、ひーちゃんはお酒臭いのすごく嫌いだから」
しとりの言葉に同意するようにうなずき、左之助さんに布団をかけてあげるとなひとえが剥ぎ取ってしまいました。
そこまでするのはだめでは?
「赤目の子は父親に似て独占欲の塊ね」
「ひとえはそんなのじゃないですよっ」
「ん、出ていけ。母様に抱きつけない」
私の事を抱き締めながら、そんなことを言うしとりに矛盾しているのでは?と不思議に思いながらも部屋の奥に倒れている左之助さんも目を覚ましました。
良かったと思えば、引ったくるように左之助さんの腕の中に戻って、私は困惑する間もなくしとりに引ったくるように掴まれ、それが何度も行われる。
「嬢ちゃん、母者が倒れるからやめなさい」
「ん、邪魔しちゃダメ。父様はそろそろ母様に抱きついて寝ようとするのをやめるべきだと思う」
「しとり、これは旦那の特権だ。お前も剣路に抱き締められたら嬉しいだろう」
自分で脳を破壊されなに!?と思わず、左之助さんを見上げてしまいます。いえ、そういう人でしたね。いつも飛び込んでいける。