某剣客浪漫世界で私は物書きをする。 作:SUN'S
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第1571話
「ん、満足した」
二日目にして、ようやくしとりは止まりました。長く、長く、長く、長く、険しい戦いでした。起きたら打つ。起きたら打つ。起きたら打つ。起きたら打つ。そんなことばかりしています。
しとりの性格を知っている分、相当に怒っていることは分かりました。しかし、ここまでするとは予想外すぎて、お母さんはビックリです。
「けんちゃん、お疲れ様」
「いや、オレは何もしてねえよ。しとりは、まあ、すんげえ殴ってたり竹刀で叩いてたりしたのは見てたけど。そこまでしないといけないやつなのか?」
「ん、母様を斬ろうとした」
「敵だな」
「愛されてるわね、景」
「......愛はみんな重いですね」
左之助さんの愛もそうですが、私の周りは病んでしまいやすい人がいるのでしょうか?と、左之助さんを見るとひとえの手に包帯を巻いていました。
ものすごく痛そうです。
「むう、ひーはこんなの要らないの?」
「要らないじゃねえよ。傷残らねえように手当てするのは当たり前なんだよ。景がいつも言ってるだろ。怪我したら隠さずに見せろって」
「ぁぃ」
しょんぼりするひとえ。
個魔の方はしとりの影から身体を出して、優しくひとえの頭を撫でています。しとりはそれに気づいていますが、月の客に視線を向けています。
「ん、起きた」
「き、きひゃまら、よひも」
「うるさいわね、あなた、私の後釜でハチツルギに入った剣士でしょう。動きがド素人すぎて呆れたわ。いや、オオイミ様はそう簡単に入れないし、月の王国でウソを吐いたわね」
トヨウケビメの指摘に身体を震わせた月の客、いえ、ハチツルギの青年は逃げようとした瞬間、オオイミがいつの間にか佇んでいた。
「余を謀ったわけだな。トヨウケビメ、よくぞ見抜いた。帰還は伸ばす、カグヤのために護衛を続けよ。さて、貴様は千年流転の刑に処す。ただし、虫だ!!」
「いやだああああああああああっ!!」
オオイミのその叫びと共にハチツルギの青年はギャラクシアン・エクスプロージョンのごとく異空間に呑み込まれてしまった。
おそらく、虫に生まれ変わったのでしょうね。
「そこの娘、相楽しとりだったな。トヨウケビメを守った大義、感謝する。褒美はなにが良い?」
その問いかけに、トヨウケビメが息を呑む。
「いらないよ?オオイミ、私は母様を傷つけたくなかっただけ、誰かを助けたら褒美を貰えるのは違う。誰だって助けるのは当たり前だよ」
「────天啓は得た。余は、正義になろう」
……ああ、これはあれですね。
オオイミの根底が、正義に染まりましたね。
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