オオイミによって消えた月の客、ハチツルギの青年はどの虫になったのかを「前世の記憶の保持」で見ると、ゴキブリだったので、さっと消します。
とても怖かったです。
見たくないです、怖いです。
ムリムリムリムリムリムリ!!あんなことされたくないです、え?まさかトヨウケビメに身体を貸したら、あんなことをされるんですか?
「聡明な女が虫と意識を入れ換えられる」
「ひえっ、ムリムリ!!無理です!」
トヨウケビメの呟きに、思わず大きな声で反論するもトヨウケビメはニコニコと笑ったままです。とても恐ろしくて恐ろしくて怖くて仕方ないです。
そんなこと絶対にイヤです。
あんなことをされたら、死にます。
虫だけは絶対に無理です。
「景は何を見たんだ?」
「さっきのアイツ、ゴキブリになったのよ」
「ごき?ああ、油虫か」
左之助さんの言葉にゾワゾワとし、しとりとひとえを見ると同じように耳を塞いでいます。うぅ、やっぱり私の娘ですね。無視は本当にだめなんです。
「左之助さん、左之助しんは少し虫に触ることが出来ても無理なんです」
「左之助しんて、噛んだな。……しとり、ひとえ、兜虫とかも無理なのか?」
「「いや!!」」
「あらあら、すごい拒絶ね」
「ん、妖怪なら大丈夫だけど。本当に虫はヤダ。怖いし、なに考えてるのか分からない」
「あい、羽音がこわいの。父様は怖くないの?」
「怖くねえな。……にしても、母娘揃って虫がダメなんだな。意外とは思わねえが新鮮な反応だ」
ニヤニヤとする左之助さんをしとりとひとえはムスゥーッとした顔で睨むも、左之助さんはけらけらと楽しそうに笑い、とても楽しそうです。
しとりは剣路君にも聞かれているので逃げ道は無いですし、これはかなり危ないんじゃないかしら?と思いながら、しとりを見たら剣路君に話しかけています。
どうやら注意しているようですね。まあ、それが妥当な行動だと思います。流石にあれは怖くて怖くて怖くて仕方ないです。仕方ないと思います。いえ、ゴキブリになるなんて絶対に、イヤです。
それだけ、いえ、それほどにおそろしい。
オオイミはそれを分かっていて、使いました。あれだけはイヤです。
「あ、しとり、虫だ」
「んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!?」