某剣客浪漫世界で私は物書きをする。 作:SUN'S
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オオイミ王 破
「うぉらっ!」
「ヌハハ!効かんな!」
左之助さんのパンチを受けても力で負ける様子のないオオイミの身体に冷や汗を流しながら、深呼吸を繰り返し、トヨウケビメの感じる不安を押さえる。
いえ、押さえているつもりです。
殴って、殴られ、蹴って、蹴られ、二人とも一歩も退かない。以前に戦ったときは荒々しく、激しいものでしたが、今回の戦いは力比べです。
どちらが上なのか。
それを決めるために殴り合って、殴り合って、殴り合って、殴り合う。左之助さんの右の二重の極みがオオイミの鳩尾にめり込む。
しかし、オオイミは退かない。
オオイミは左之助さんの頭を掴み、頭突きを見舞い、鼻血を噴き出す左之助さんに二発目の頭突きを決め、潜血に顔を染める。
あまりにも恐ろしい顔で、トヨウケビメの「怖い」という感情が溢れそうになるのを必死に我慢しながら、死ぬかも知れない現実に泣きそうになる。
怖い。
「ぶっ飛べや!!」
「貴様が飛べ!」
クロスカウンター。
いえ、単なる相討ち。
相手を殴って、撲殺するためだけに拳を振るう。
とてもグロテスクな音を響かせる打撃に顔色を悪くしている気がします。いえ、実際に私の顔色は悪いのでしょうね。今、泣きそうです。
「グロテスクね」
「トヨウケビメさん、出てきたんですね」
「そりゃあね。出るわよ、出るしかないわ」
そう言っているトヨウケビメも顔色は悪い。私の顔なのだから当然ですが、まさか本当に恐ろしい光景になるなんて誰も予想していませんでした。
「うぉおおらあっ!!」
「ヌハハ!ヌハハハハハハハハハハ!!!」
殴り合う二人に違和感を感じる。
「.........あの、使ってます?」
「......使ってないわ」
月の王国出身なのに滅茶苦茶にウソをつきますね。ウソは大罪って知ってますからね?とトヨウケビメに思ったことを伝えると顔を逸らされました。
そういうところですよ、まったく。
しかし、しかしです。
この強さは精神に作用しているからなのでしょう。
左之助さんは粗っぽく拳を振り抜き、オオイミを殴り飛ばしてしまった。
「オレの、勝ちだ!!!!」
「ぬっ、ぐぁ、うごけぬっ」
頭を動かし、立とうとするオオイミを見下ろす満身創痍の左之助さんに慌てて近づき、今にも倒れそうな左之助さんの身体を支える。
「(お、おもいっ)」
プルプルと震えながらも左之助さんと一緒にオオイミを見つめます。
「……ふ、ははは!!余の負けか、そうか。ならば、この雪辱は貴様達の子で余が最強と認めた相手に晴らすとしよう!トヨウケビメ、貴様の剣は返そう!!」
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