某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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剣客兵器の尋問 急

左之助さんによる尋問を受け、渋々と私はアタッシュケースの中に隠していた「黒歴史ノート」を差し出す。左之助さんは「この中に入れてたのかよ」と呆れているけど。他の人に見られるよりマシなのだ。

 

元々はお父様が誕生日にプレゼントしてくれた白紙の冊子に落書きしていた物が始まりで、この世界が「るろうに剣心」だと理解する前まで描いていた好きな漫画の人物や武器の模写であり、決して邪な物ではないのです。

 

そう転生の事実は省いて説明する。

 

「まあ、要するにダイナマイトみてえな物の作り方や素材、他にも思い付いた武器やら兵器やら何でも書き記した冊子だそうだ」

 

「成る程。で、現物は何処にあるのだ!」

 

「教えるわけないでござろう」

 

凍座白也の言葉を遮って溜め息を吐く緋村剣心。彼の私に向ける警戒心や疑念は再発し、凍座白也よりも早く見つけて燃やそうとしているのが分かる。

 

「しかし、儂の聞きたいのは銃弾を避け、幾百人の米国(アメリカ)人をたった一人で相手取ったサキサカケンジロウという男の話だ。糸色殿は良く彼の話をしていたのだろう?兄君に聞いている」

 

「本当に話すだけですか?」

 

「うむ、儂にもっと彼の話してくれ!」

 

その言葉に露天牢を取り囲んでいた軍人や警官隊の視線が変わる。それもそうなるのは仕方ない。凍座白也はたった一人で幾百人を相手取った(・・・・・・・・・・・・・・・)と言ったのだから。

 

ゆっくりと私は「瞬撃の虚空」に登場するサキサカ・ケンジロウの話を話す。ただし、明治時代から掛け離れている部分は頭の中で組み替えて、大きな声を心掛けて出来るだけ丁寧に聴こえるように伝える。

 

「……うむ、やはり素晴らしき御仁だ」

 

「糸色殿、その方は何処に?」

 

「今はもう居ません」

 

……いえ、そもそもサキサカ・ケンジロウは漫画の人物なんです。姿お兄様は口下手で説明が滅茶苦茶だったから、凍座白也が勘違いしてしまうのは、それなら仕方ないことなのかな?

 

「緋村抜刀斎、如何に神速のお主と云えど幾百人を同時に相手取り、唯一自分自身に向く銃弾の豪雨を避けるのは不可能に近しい。だが、我らよりも先に大国を相手に闘った先達がいるのだ!今一度、問う!我らの元に来い!」

 

「無論、断るよ。拙者は人々を守るために逆刃刀を振るう、お主達の言う富国強兵に付き合うつもりはござらん。何より、今回はどうしても糸色殿に聞きたいことが増えてしまったでござるからな」

 

ささっと左之助さんの後ろに隠れる。

 

わ、私は悪くないですよ!左之助さんに助けを求めるように見上げたら「オレと会う前だから仕方ねえけど。宿に帰ったら覚えとけよ」と言われ、しとりを抱っこして逃げ場がないことに絶望する。

 

 

 

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