某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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雅桐倫具、その正体は 急

「深夜零時に会う、でござるか?」

 

「はい!ただ、変な臭いと胡瓜の山が目立っていて、なにか良からぬ雰囲気はありました」

 

「私、あそこきらーい」

 

「胡瓜は美味かったぜ」

 

そう言って話す三人の言葉に唸る緋村剣心。陸奥出海との再会で時間を費やしてしまったため、少し不安だったけれど。どうやら原作の流れには沿えているようで、ほうっと安堵の息をこぼす。

 

左之助さんに抱っこしてもらったおかげで身体の不調も少しは治っているし。雅桐倫具……いえ、武田観柳との再会も問題なく立ち会えるとは思う。

 

長谷川君や井上君、久保田さんの活躍で思っていたよりも早く出会える。ただ、問題があるとすれば私を抱っこするために左之助さんは蛮竜を函館に置いてきてしまっている。

 

それに、胡瓜の山が気になる。

 

「景、今夜は休むか?」

 

「いえ、私も行きますよ?井上君の言っていた胡瓜の山が気になりますし。ひょっとしたら、姿お兄様が関わっているかも知れませんから」

 

「……やっぱり休ませる(・・・・)か」

 

「含みがある言い方は止めて下さい」

 

にっこりした笑顔が怖いです。

 

「社長って独占欲強いわよね」

 

「まあ、ワケアリっぽいしな」

 

「何か隠し事あるのかな?」

 

「聴こえてるわよぉ?」

 

ヒソヒソと話しているつもりの三人の頭をぺチンと軽く叩き、小さくアクビをするしとりを布団に運び、私の手を握ったままスヤスヤと眠り始める彼女の頭を優しく撫でつつ、左之助さん達に視線を向ける。

 

「剣心、山奥に居を構えるって事は何かしら隠し事があるのは事実だな」

 

「嗚呼、あるとすれば糸色殿の言っていた鋳造所を作っているか、剣客兵器と密会するために山奥に隠れ家を置いている可能性もあるでござる」

 

「景が会う気なのも怪しい」

 

「え?」

 

「確かに、人見知りの糸色殿が会うことに意欲的なのは怪しいでござるな。しかし、雅桐と知り合いというわけでは無さそうでござるが……」

 

「いや、え?」

 

まあ、雅桐倫具(ガトーリング)は知り合いじゃありませんけど。なんで、そんなことを言うの?私と左之助さんって夫婦ですよね、私の事信じてないんですか?

 

「…………左之、後ろ」

 

「ん?あっ……」

 

ようやく私の顔に気づいた左之助さんの弁明や言い訳を無視して、しとりの布団に潜り込んでふて寝する。左之助さんが悪いんです。ちゃんと反省してもらうまでは無視しちゃいます。

 

「景?景さーん?」

 

「………」

 

ぷいっと顔を逸らしてしとりのお腹をポンポンと優しく触りつつ、左之助さんの言葉を無視する。ちゃんと反省するまで許してあげませんからね。

 

 

 

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