某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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左之助さん視点になります。


絶姿の剣撃 破

柔剛の連携と連鎖の隙無き剣撃の猛威を蛮竜で受け、弾き、蛮竜の刀身を逆さに向けると同時に石突の月牙を振るい、糸色姿の右手に持った脇差を絡め落とす。

 

「やるね!けど、二天一流は一刀でも強い!」

 

「しゃらくせえッ!!」

 

「ぐおッ!?」

 

左手の大刀を左袈裟斬りに振りかざす糸色姿の間合いに更に深く踏み込み、右の肩口に受けながら刃筋を押さえ付け、頭突きをぶちかまし、大小一対の刀を奪い取る事に何とか成功したが、二度とこんな痛てぇことやらねえからな、阿呆がッ。

 

「いってぇ…石頭過ぎるよ」

 

「で、お前はどうするつもりだ。剣客が二本も刀を奪われたんだ、もう降参したらどうだ?」

 

「生憎、刀ならまだ在るさ」

 

そう言うと糸色姿は景やドクトル・バタフライ、斎藤の持つ同種の核鉄を取り出した。やっぱり持っていやがったか、あの頑丈さと回復の速さ、薄々考えてはいたが予想が当たっちまったな。

 

おそらく武装錬金は日本刀だろう。

 

いつでも反応できるように核鉄を見据えていたその時、糸色姿の手から核鉄が宙に舞い上がる。投げた、唯一残っていた自分の武器を宙に向かって、なんの躊躇もなくアイツは放り投げた。

 

その僅かに視線が逸れた瞬間を見逃す剣客はいない。一足飛びに、神速を越える縮地の速さで糸色姿がオレの間合いに滑り込み、鋭く真っ直ぐに揃えた左右の手を振るい、オレの身体を切り裂いた。

 

「ぐッ、がはあッ!?」

 

蛮竜を握る力が緩み、地面に倒れ伏す。

 

般若や蒼紫みてえに相手を撲殺する拳法じゃねえ……コイツは刀で斬りかかってきた時と同じ、剣術の動きでオレを斬り伏せやがったのか?!

 

「なんッ……だ、今のは?」

 

「刀を振るわぬ剣術って言うのもあるのさ」

 

「……ハッ、ハハ、すげえな……」

 

ボタボタと流れる血が土に染み込んでいくのを見ながら立ち上がり、蛮竜を支えに血濡れた両手を振るって血糊を落とす糸色姿に笑みを向ける。

 

剣心と戦り合った時よりも和尚と戦った時よりも般若と戦った時よりも魂に燃えるものがある。こんなに強いヤツに出会えるなんざ本当に最高の日だ。

 

「───けど。君とやるなら本気の刀だ」

 

核鉄を握り締めた刹那、六角の金属が分裂し、二振りの日本刀に変化した。反りも形も普通の見た目、斎藤や剣心とは違う純粋に刀の形をした武装錬金を握り締め、糸色姿が初めて笑みを見せた。

 

「二刀同時の無限斬にて君を倒そう」

 

「ヘッ。本気の本気ってわけか」

 

オレは蛮竜を担ぎ上げ、静かに糸色姿を見据える。一か八かになるが外印をやったときに使った熱風───景曰く「蛮竜閃」をぶつけて技を消し飛ばすしかねえな。

 

「飛天無限斬ッ!!」

 

「蛮竜閃ッ!!!」

 

無限に等しい斬撃と熱風が衝突し、地面を抉り砕きながら刻まれた空気が熱風で弾け、オレと糸色姿の身体を切り刻み、後ろに吹き飛ばした。

 

 

 

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