某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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未来の物語 序

しとりと夕食の献立を考えながらお買い物をしていたときに「武装錬金」の主人公とヒロインと出会ってしまった。またドクトル・バタフライの仕業だろうかと思いつつ、二人分の珈琲を用意する。

 

武藤カズキと津村斗貴子の視線を受けつつ、どうして初対面の筈の私の事を「糸色さん」と呼んだのかを聞きたいけど。聞いたら大変な事になりそうな予感もあり、御盆に二つのマグカップを乗せて居間に戻る。

 

「どうぞ」

 

「ああ、ありがとうございます」

 

「……さて、先ずは何を聞きましょうか」

 

ペコリと頭を下げる武藤君に飛び付いて、スンスンと鼻を鳴らして匂いを嗅ぎ、小首を傾げるしとりを呼び戻す。左之助さんに似ているから、しとりも野性的な感覚が強いのかしら?

 

津村斗貴子の視線の強さも気になるけど。

 

未来の世界で私はどういう風に伝わっているのか不安になってしまう。まさか、ドクトル・バタフライにホムンクルスにされて……いや、流石に彼がそんな非道な事をするわけありませんね。

 

「初めまして、もう知っているかもしれないけど。オレは武藤カズキで、この人は津村斗貴子さんって言うオレの大切な女性です」

 

「その情報は与えんで良い!!……コホン、カズキに紹介されたが津村斗貴子だ。いきなりの押し掛け訪問は申し訳ないが此方も一瞬一秒を争う事態だ、蛮竜の遣い手に会わせて貰えないだろうか?」

 

「(…………おかしい。どうして、こんなに武藤君は私に親しげなのだろう?彼は平成時代の男の子だから、明治時代の私と接点なんてない筈なのに、とても不思議だわ……)左之助さんならそちらですよ」

 

二人の言葉に思わず、反射的に左之助さん達が剣客兵器について話し合っている隣室を指差してしまった次の瞬間、ものすごい真剣な顔付きで話し合っていた左之助さん達が一斉に武藤君を見上げた。

 

特に左之助さんの視線は険しかった。

 

でも、二人の探している蛮竜の使い手と言えば左之助さん以外にあり得ませんし。居たとしても戦国時代の転生者と蛮骨の二人だけしかいない。

 

そう考え事をしている間に左之助さんに連れていかれる武藤君と津村斗貴子を見送りつつ、未だに彼が私を尊敬している理由を聞けずにいる。

 

実は私と左之助さんの子孫だったりして。

 

まあ、流石にないですよね。

 

自分よりも強いホムンクルスに立ち向かえる心の強さを持つ勇気ある男の子が私みたいに怖がりで臆病で不安ばかり抱えている血を引いているとは思えな……いや、しとりとこの子のどちらかの子供なのかもしれないわね。

 

 

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